美術館/博物館

沖縄海洋博公園 海洋民族の歴史や文化を網羅した海洋文化館

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海洋博公園内にある海洋文化館は、太平洋地域における海洋民族の歴史や文化を網羅した博物館です。

大型カヌーの展示や壁面いっぱいに広がるパネル展示があります。

館内では、ミクロネシアやポリネシアなど各地域のカヌー実物展示を通じ、かつて星や風を頼りに大海原を渡った人々の知恵と航海術を学べます。

また、九州・沖縄最大級の投影面積を誇るプラネタリウムが併設されており、季節ごとの星空や沖縄に伝わる星の物語を鑑賞できる点も大きな魅力です。

沖縄の歴史を語る上で欠かせない「海との関わり」を深く知ることができるスポットです。

描かれたダブルカヌー

16世紀、西洋人たちは本格的な太平洋の環境に乗り出しました。

冒険家たちの関心は、島々のカヌーにも向けられ、同行の絵師によって、多くのカヌーが描かれました。

この後ポリネシアでは、伝統的なカヌーの伝承が途絶えたため私たちはこれらの記録によってのみ、かつてのポリネシア人が巨大なカヌーを操っていたことを知ることができます。

ダブルカヌーはポリネシアに広くみられ、ごとの特徴をもつ重要な舟であったことがわかります。

クック艦長を迎えたダブルカヌー

18世紀後半、イギリスのクック艦長がタヒチ島を訪れたときタヒチの王はダブルカヌーで彼らを迎えました。

一段高くつくられているのは神殿で、王や神官らが立ち出迎えの儀式をしているのがわかります。

1      沖縄を含む太平洋の島々

島に人々が渡り、営みが生まれた

集落

海を渡って新しい島に着いた集団は森を開き、集落を営みました。

子孫たちは、祖先が獲得した知識を引き継ぎ新しい島の文化をつくっていきました。

高い島と低い島

島の成り立ちと主な種類

太平洋の島々を、その地形から分類するとタヒチ島のような「高い島」とマジュロ礁(マーシャル諸島共和国の首都)のような「低い島」に分けられます。

それぞれ環境が大きく異なります。

 

高い島

火山の活動で生まれ、現在でも火山地形が残っている 「火山島」や、山地地形や河川をもつ大陸性の島 (地殻変動により生まれた島)を指します。

山にぶつかった水蒸気が雨を降らすため降水量も多く、その雨は、森林の茂る山々に蓄えられるとともに川や地下水となって流れ、湖もつくります。

土壌の栄養分も多く作物がよく育ちます。

また、島の風上 (多くは東側)と山をはさんで風下では、降水量などが大きく異なる島もあります。

 

沖縄の高い島

琉球列島の成り立ちは、地殻変動による大陸との合体や分離、サンゴ礁の形成などが関係しています。

火山活動があった時代もあります。

大陸性、火山性の地形を多く残す標高の高い島としては久米島、石垣島、西表島などがあげられます。

低い島

サンゴが海面に出て島になった状態の「サンゴ島」や、島の全体が標高の低い昱酸や設置、低地で占められる島を指します。

サンゴ島を大きく分類すると、と隆起サンゴ礁の島に分けられます。

 

環礁

サンゴ礁の地形は、火山島を縁取るように発達した 「裾礁(きょしょう)」、島の水没とともにサンゴ礁が上方に成長して島との間にラグーン(礁湖) ができた 「堡礁(ほしょう)」、島が水没してサンゴ礁だけがリング状に残された「環礁」に大別されます。 なかでも環礁は、大陸から遠く離れた海に存在する特徴的なサンゴ礁です。

サンゴ石灰岩質の低く平らな島には、小さな地形に対応して分布するさまざまな動植物相がみられ、これらの有機物が集積した土壌を利用してタロイモ栽培などが行われます。

大陸性の島に比べて土壌の栄養分は少なく、水の確保にも工夫が必要ですが、人々は知恵を働かせ助け合うことで、 環礁ならではのくらしの環境をつくってきました。

隆起サンゴ礁の島

いったん海面下に沈んだ火山島をサンゴ石灰岩が覆い、再び隆起してできた島です。

隆起の高さは、数メートルもあれば数100メートルに及ぶものもあります。

海鳥のフンによるりん鉱石が堆積している場合も多く、これにより富を得た島もあります。

沖縄の低い島

琉球列島には、サンゴなどが堆積してできた琉球石灰岩が隆起した平らな台地が多くみられ、沖縄特有の景観をつくっています。

琉球石灰岩からなる低い島は、比較的新しい地質の島といえます。

 

複合型の島

漁礁や隆起サンゴ礁の島などの「低い島」と、山地地形の「高い島」の両方の地質をもつ、 複合型の島もあります。

 

沖縄島

島の北部は「高い島」の地形

南部は琉球石灰岩が分布する「低い島」の地形が見られる

多様で変化に富んだ環境への適応

海からのめぐみ

海の生態系は多様性に富み、風や潮などの影響で季節ごとに複雑に変化していきます。

人間は知恵を使い、そうした環境に適応して生きていくためのさまざまな技を生み出しました。

 

サンゴの海とマングローブの海

島を縁取るサンゴ礁。

その複雑な地形には、 さまざまな海の生きものが生息しています。

浅い海ラグーン (礁湖) は沖縄ではイノーにあたり日々のくらしでよく利用する漁場です。

ラグーン内に点在するサンゴ群落の周辺、 白波がくだけるリーフ付近、外洋との水路でもあるリーフの切れ目、リーフの外側の礁斜面など異なる生態環境に応じて多彩な漁法が発達しています。

さらに、島の周囲に広がる深くて青い外洋は、 大型回遊魚などの漁場となります。

一方、河口の潮間帯に形成されるマングローブ林にも豊かな生物相がみられカニやエビなどのよい漁場となっています。

2      カヌー

リエン・ポロワット号

実際にミクロネシアのサタワル島周辺で造られ、伝統航海術のみを用いてグアムまで航海した実績を持つ本物のカヌーです。

3  プラネタリウム

『ロイと仲間の大航海 ~星に導かれて~』を見ました。

17歳の見習い航海士、ロイが、祖父から教わった伝統航海術「スターナビゲーション(星読み)」を頼りに、約800km離れたグアム島を目指して初めての航海に挑みます。

仲間たちと協力しながら、コンパスや地図を使わずに、星の動きや波の様子、風の流れだけを頼りにグアム島に到達しました。

この物語には、海洋文化館の展示ホールに実物が展示されている「リエン・ポロワット号」というカヌーが登場します。

このカヌーは、実際にミクロネシアのサタワル島周辺で造られ、伝統航海術のみを用いてグアムまで航海した実績を持つ本物のカヌーです。

 

4  身体がつくる社会と世界観

星座コンパス

夜間に航海を行うとき、針路を見極める手がかりとして最も大切なものは星の運行です。
航海師は星が昇る地点、空での動き沈む地点などを記憶していて海上での自分の位置や目的の島の方向を推測し、針路を決めます。
展示されている星座コンパスは星が昇る地点や沈む地点を示すもので航海術を学ぶために使われています。

装いの意味

装い。それは、身体を飾り、身体を包むこと。
日常生活から儀礼や戦闘に至るまで太平洋の人々は目的に合わせて装います。
それぞれの装いには、同じ社会に属する人々の間で自明の意味がありその多くが社会の成り立ちや世界観と結びついています。

 

5      入れ墨

 

 

イレズミ

皮膚に永久に残る模様を彫り込むイレズミはポリネシア、ミクロネシア、 メラネシアの一部で行われてきました。

模様や部位などによって、 社会的地位、 系譜、婚姻状態氏族、宗教などを示していました。

通過儀礼の一部として行われることも多く痛みに耐えることで周囲に心身の強さを示していました。

また、神聖な身体を包む、あるいは危険から身体を守るという意味もありました。

キリスト教化が進むなか、イレズミは多くの地域で衰退していきましたが、近年、文化復興運動がおこると太平洋地域の人々の民族アイデンティティを示すものとして復活しました。

最後に海洋博公園の上から撮影した風景。

目の前には伊江島があります。

伊江島の中心にある山「伊江島タッチュー」は、火山に見えますが、実は世界的にも珍しく、約7,000万年前の古い岩盤(チャート)が、より新しい約200万年前の地層の上に滑り込んで乗り上げ、柔らかい地層が雨風で削り取られた結果、硬いチャートの岩盤であるタッチューだけが「帽子」のようにポツンと残されてできあがったものです。

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