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伊豆の大室山:自然の美と歴史が織りなす絶景スポット

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1        大室山

伊豆半島の東部に位置する大室山(おおむろやま)は、標高580メートルの美しい成層火山です。約4000年前の噴火によって形成されたこの山は、その均整の取れた円錐形が特徴で、日本の地質百選にも選ばれています。

NHKの人気番組「ブラタモリ」でも大室山が取り上げられました。タモリさんが訪れた際には、大室山の成り立ちや地質学的な特徴、そして山焼きの歴史について詳しく紹介されました。タモリさんのユーモアあふれる解説とともに、大室山の魅力が存分に伝えられました。

 

駐車場から大室山とリフトが見えました。

よし、のぼるぞ~。(ちなみに自分の足で登るのは山の保全のため禁止との事でした。)

と思いきや、リフトに乗るのに1時間半。

中国、韓国からの観光客もリフト乗り場の行列に一杯並んでいました。

そんなに人気のスポットだったかしら?

リフト乗り場は奥の鳥居をくぐった建物を通り抜けた所にあります。

 

やっと乗り場です。

駐車場に着いたときは、晴れていたのですが、乗るときは上空に雲が立ち込めてきました。

自体は更に悪化し、上空はガスってました。

アーチェリー場になっている火口です。

大室山 国天然記念物に

火山全体指定は4例目

スコリア丘の指定は全国初!

大室山は伊東市南部に位置する標高 580m、 山頂周囲約1000m の火山。

噴火の際にスコリアと呼ばれる黒っぽい軽石が降り積ってできた。

火口は直径250m、 深さ75m、 噴火で流れ出た溶岩は伊豆高原の大地をつくり、一部は城ヶ崎海岸を形成した。

山体は、700年の伝統を誇る山焼きによって樹木が生育していないため、 スコリア丘の特徴を良く保っている。

大室山は単成火山という噴火様式の典型例として重要と評価された。

国の天然記念物の火山の山体指定は、 北海道洞爺湖南岸の「昭和新山」 (溶岩ドーム) 九州雲仙普賢岳の 「平成新山」 (同)、秋田県男鹿市の 「一の目潟」 (マール=爆裂火口) の3件のみ。

スコリア丘の指定は大室山が全国初となる。

 

大室山浅間神社(せんげんじんじゃ)の由来

祭神(磐長姫命・いわながひめのみこと)祭礼(七月七日・八日)

ご利益(安産・健康長寿・縁結び・受験合格)

当浅間神社はこの先の階段を下ったところにあります。

浅間神社は全国に二千社ほどあり、富士山を始めそのほとんどが木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祭神としているのに対し、当大室山浅間神社は、磐長姫命(いわながひめのみこと)を祭神としています。

『磐長姫命(いわながひめのみこと)は大山祇神(おおやまづみのかみ)の姫命(ひめのみこと)で、妹を木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)という。

あるとき天孫の瓊々杵命(ににぎのみこと)に見初められたのは木花開耶姫(このはなさくやひめ)であった。

父の大山祇神(おおやまづみのかみ)は二人の姫命(ひめのみこと)を同時に娶ってほしいと申し上げた。

それは木花開耶姫(このはなさくやひめ)は咲く花のごとき美人であるが短命である。

それにひきかえ姉の磐長姫(いわながひめ)は不器量であるがその寿命が磐(いわお)のように長く保たれ、才能も優れているからである。

しかし、姉姫は送り返されてしまった。

すでに天孫の御子を懐妊されていた磐長姫(いわながひめ)は大室山山頂に萱で産屋(うぶや)を造らせ、中に入ると萱(かや)に火をつけさせて炎の中で火の神三柱を無事出産されたと言う。』

当大室山浅間神社は古来、伊豆近郷はもとより、遠く相模の国、武蔵の国、安房の国、駿河の国と広く信仰を集めております。

 

さて、カルデラを左回りで一周します。

大室山のスコリア

大室山火山は大量のスコリア(コークス状の火山噴出物) を噴出した。 トイレの工事でたくさんのスコリアが掘り出された。

大室山から伊東市街方面を見おろすと、なだらかな高原と、 小さな丘の群れが見えます。

これらの丘はすべて小さな火山です。

約15万年前から伊豆半島東部のあちこちで噴火がおき、小火山のあつまり(伊豆東部火山群)が作られたのです。

足元の大室山も、伊豆東部火山群の一員です。

約 4000 年前の噴火で大室山から流れ出た溶岩が、手前のなだらかな高原(伊豆高原)をつくりました。

遠くに見える一碧湖も、約10万年前の噴火によってできた火口湖です。

ひときわ目立つ、丘は、約1万5000年前の噴火でできた小室山で、大室山とならぶ伊東のシンボルです。

 

雲の間から下界が見えます。

 

八ケ岳地蔵尊

海の安全を祈願して山の上にお地蔵さんを建てたのですね。

八ケ岳地蔵尊

海上安全・海難防除大漁祈願のため漁師の人達によって建てられた。ここに立って海上を眺めると伊豆半島から房総半島を一望におさめることができる。

近代装備を持たない昔の漁師は、八丁櫓で威勢よくこの海へ乗り出し、大室山を目じるしにして最良の漁場を定めた。

現在の地蔵尊は昭和五十九年に地元池区民の寄付により再建された。奥にあるのは以前の地蔵尊である。

 

鷹羽狩行句碑(たかはしゅぎょうくひ)

伊豆は日のしたたるところ花蜜柑

平成四年五月二十九日に当地を訪れたときの作です。

初夏の「日ざし」を「滴(したた)る」ようだとうたったこの句には伊豆の自然の明るさと豊かさが見事に表現されています。

先生は俳誌「狩」主宰、俳人協会理事長、毎日新聞選者としてご活躍で俳人協会賞、芸術選奨などを受賞されています。

同日の作に

火の山のわが丈を越す草いきれ

万緑や射抜かるるべく的置かれ

があります。

当社の創業三十周年を記念して、この句碑を建立しました。

平成五年十一月一日 池観光開発株式会社

 

三角点は、東京都港区愛宕山にある愛宕神社で見て以来です。

三等三角点 大室山

ここに設置されている標石は三角点と言い、地球上の位置(経度・緯度) が高い精度で求められています。

三角点は、私たちのくらしにも密接な関わりがあり、地震予知や地図作りを始め、いろいろな測量の基礎となる重要なものです。

北緯34度53分59秒224

東経139度05分52秒094

標高 579.64m

建設省国土地理院 設置 明治17年(1884年)

眼下に見える池盆地の田園風景は、大室山から流れ出した溶岩によるせき止め湖のなごりです。

明治初年まではこの湖がのこっていたため、この盆地周辺は「池」と呼ばれていました。 明治以降に湖を午拓して生まれた水田では、四季を通じて美しい雪山風景を楽しむことができます。

池盆地の背後にある矢筈山(やはずやま)と孔ノ山(あなのやま)は溶岩ドーム(ねばり気の強い溶岩でできたドーム状の山)、その左手に見える伊雄山はスコリア丘 (ねばり気の弱い溶岩のしぶきや火山弾がつもった丘) いずれも約2700年前の割れ目噴火で同時につくられました。

さらに奥には約14万年前の噴火でできた遠笠山(とおがさやま)や、20万~80万年前の噴火でつくられた天城山の山々があります。

 

五智如来

この五智如来は、寛文の初め頃(一六六三年)相州岩村 (神奈川県足柄下郡)の網元 朝倉清兵衛の娘が九歳で身ごもり、その安産を大室山浅間神社に祈祷したところ、無事安産したので「おはたし」と称してお礼に真鶴石で五智如来像を作らせ、船で城ケ崎の富戸港に運び、富戸の強力兄弟が、一体を三回に分けて背負い、計十五回で現在地に安置されたと伝えられています。

昔から願い事を「かなえて」下さる優しい心の神様として、伊豆、相模付近の方々の信仰が深く、特に安産と縁結びの神様として参詣が多い。

 

さあ、いよいよ帰りです。

上りもすごかったけれど、下りの列も長い。

 

次の看板は下のリフト乗り場にあった物です。

大室山でわかる伊豆の大地のひみつ

南から来た火山の贈りもの

天気の良い日には、 大室山の山頂から遠く伊豆諸島を望むことができます。

かつての伊豆は伊豆諸島と同じような火山島や海底火山でした。

この海底火山の集まりはフィリピン海プレートとともに北に移動し、 本州に衝突して伊豆半島になりました。

60万年前頃の出来事です。

現在も火山活動や地殻変動が続く伊豆半島で、豊かな温泉や湧水、変化に富んだ美しい風景または景観といった、たくさんの 「贈りもの」を楽しんでみませんか?

 

伊豆東部火山群は、 伊豆半島の東部とその沖合の海底に分布する小さな単成火山の集まりで、 約15万年前の遠笠山の噴火に始まり、平成元年の手石海丘(ていしかいきゅう)での噴火を経て、現在もなお活動を続けています。

大室山 (海抜580m) は、 伊豆東部火山群を代表する火山のひとつです。

約4000年前の噴火で噴き出したスコリア (粘り気の弱いマグマのしぶき)や火山弾は火口のまわりに降りつもり、スコリア丘と呼ばれるプリンのような形をした小山になりました。 また、 この噴火で流れ出した大量の溶岩は、なだらかな伊豆高原や、 城ヶ崎海岸をつくり出しました。

ダイナミックな火山の造形だけでなく、孤立した小山状の大室山や荒々しい溶岩からなる城ヶ崎海岸に棲む動植物、 山頂の浅間神社に祀られた磐長姫命(いわながひめのみこと)の物語など、 見どころ満載です。

 

単成火山って何?

富士山のように同じ火口から何回も噴火して大きな山を作る火山とは異なり、単成火山はいったん噴火すると、 再び同じ場所から噴火をしないという変わった性質を持つ火山です。

活火山としての単成火山群は、ここ伊豆以外には阿武火山群 (山口県) と福江火山群 (長県)にしかありません。

 

次回は、晴れ渡った日にまた挑戦してみたいと思います。

 

 

2        一碧湖

 

一碧湖は、「伊豆の瞳」とも称される美しい火口湖です。約10万年前の噴火によって形成されたこの湖は、四季折々の自然美を楽しむことができる観光スポットとして知られています。

この地域には、火山がいたるところにあります。

大室山も一碧湖も火山によってできた地形です。

大昔の火山島や海底火山の名残が今の地形を作っていると思うと、とても不思議です。

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