ジオサイト

恵那峡の奇岩・傘岩と千畳敷岩

スポンサーリンク

恵那峡の両岸にそそり立つ数々の奇岩(屏風岩、軍艦岩、獅子岩など)、そして傘岩や千畳敷岩は、すべて「苗木花崗岩」というマグマが地下の深いところで固まった岩石でできています。

中生代白亜紀後期(約一千万年〜数千万年前)、この地域では巨大なカルデラ火山活動(濃飛流紋岩の活動)が起き、その地下深くにマグマが侵入・冷却されて形成されました。

鉱物的特徴:粗粒な黒雲母花崗岩で、放射線の影響で黒っぽく変色した石英やペグマタイト(巨晶花崗岩)を多く含んでいるのが特徴です。

 

1       傘岩

不自然に、突然に丘の斜面からにょきっと出ています。

花崗岩は石英・長石・雲母などの鉱物がガッチリと結晶してできていますが、地表に露出すると、気温の変化による膨張・収縮や雨水の影響で、鉱物同士の結合が緩み、砂状にボロボロと崩壊していく性質があります。これを「マサ化」と呼びます。

過去の長い地質時代(中新世後期から鮮新世頃など)に大規模な風化を受けました。その中で、上部と下部、あるいは岩石内部の微小な割れ目(節理)や硬さのわずかな違いによって風化・浸食のスピードに差が生じました。上部はある程度自然の保護や硬質さを保った一方、下部集中的に風雨などで削り取られた結果、奇跡的なバランスの「削り残し」として現在の形が維持されています。

傘岩は風化浸食によって形成された奇岩で、 高さ5.5m、 頭部の傘の周囲は10.2m、 基部の周囲5.1m、 くびれた部分の最狭部の周囲2.3mである。

付近は粗粒の黒雲母花崗岩地帯で、 花崗岩の一般的な性質として割れ目に沿って風化が進み巨岩を作り出しやすい。

昭和39年(1964年)の名古屋大学地球科学教室による調査では、頭部の傘の部分はかつての地面で、 風化作用によって水酸化鉄などが付着し、自然のうちに補強されたものとしている。

傘岩は昭和9年(1934年) に天然記念物に指定された。

 

黒雲母花崗岩(くろうんもかこうがん)は、地下深いところでマグマがゆっくりと冷えて固まった深成岩(しんせいがん)の一種であり、花崗岩(御影石)のなかでも最も代表的なもののひとつです。

天然記念物 【傘岩】案内

天然記念物傘岩は粗粒の黒雲母からなる丘綾風化風によってけずられその一部が傘の形の奇岩として残ったものである。

高さ4.3メートル頂部の周囲10.2メートル細くくびれた部分の周囲2.3メートル基部の周囲5.1メートルで逆円錐形の黒雲母花崗岩で岩石の風化現象を示す自然の標本として全国に類例のない珍しいものである。

かつての地面が傘の部分だとの事なので、かつての土は恵那峡の方へ土砂として流れて行ったのでしょう。

2       千畳敷岩

花崗岩は冷却される際や地表に現れる過程で、規則正しい割れ目(節理)が発達します。

千畳敷岩は、そうした節理の面に沿って岩石の表層が水平方向にはがれるように風化・侵食(剥離作用)を受け、平らな岩盤(露頭)が広く地表に露出したものと考えられます。

同じ苗木花崗岩でありながら、傘岩が「垂直方向のアンバランスな局所的侵食(削り残り)」を代表する立体的な奇岩であるのに対し、千畳敷岩は「水平方向の広大な平坦面」を作り出したダイナミックな地表の削剥面であり、花崗岩地形の多様性を示す好例です。

花崗岩の一枚岩である千畳敷岩は、 恵那峡の奇岩のひとつであり、 その頂部が広く平らであることから千畳敷と呼ばれるようになった。

岩上からは眺望が開け、眼下に恵那峡を、 その後ろには笠置山と紅岩を望むことができる。

恵那峡の傘岩と千畳敷岩は、「中生代に生まれた花崗岩」が、その後の気の遠くなるような長年の「マサ化(風化)と浸食の歴史」によって生み出した自然の彫刻です。木曽川の渓谷美を形作る岩盤の力強さと、地表における風雪・雨水による繊細な削剥作用の双方が刻まれた、地球科学的にも極めて価値の高いスポットと言えます。

恵那峡の報告は以下です。

大井ダムのダム湖が作った景勝地・恵那峡

スポンサーリンク

-ジオサイト