電子回路

Eagle CAD : チップ抵抗、チップコンデンサの選択方法

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Eagle CADを使って設計した場合のチップ抵抗・コンデンサの選択方法について記載します。

今回のブログでは基板の実装を少量からでも対応してくれる外部の会社に委託することを前提にします。

抵抗・コンデンサ・コイルの基幹部品については下記のディレクトリーに保存されています。

Managed Libraries>Eagle Pcb>rcl.lbr

1        抵抗

抵抗のシンボルはR-EU(European symbol)デバイスでは下図になりますが、

このシンボルは日本ではあまり使われていません。

と、いう訳で、抵抗はR-US(American symbol)デバイスから選びます。シンボルは下記になります。

R-USデバイスに含まれるパッケージ名で部品のサイズが分かりますが、インチ表示のものが充実しています。

このため、国内の抵抗メーカのカタログに記載されているmmサイズの形状との対応表を下表に記載します。

この表ではサイズが分かりますが、定格電力が分かりません。

チップ抵抗の定格電力については、メーカによってボディサイズと電力が一致しません。

普通に考えるとボディサイズで熱容量が決まるので一致するはずと思うのですが、パターンによる影響要因が大きいので、電力を測る条件によって電力値が異なってくるものと思われます。

大手のメーカが基板を作る場合は、部品は自己調達が前提なので、抵抗のベンダーは1ないしは2つの会社で固定されますが、外部に委託する場合は、その委託先が持っている抵抗を使ってもらえば、こちらで用意する手間が省けます。

したがって、外部に委託する場合のチップ抵抗の電力は複数社の抵抗を比較してみて、一番低い定格電力になっているものを基準に設計します。

下表に記載した定格電力は、下記の製造業者のカタログを比較して一番小さい定格電力を拾い出したものです。

KOA       RK73Kシリーズ

北陸電気工業   CPESシリーズ

釜屋電機     RMCシリーズ

rcl.lbr mmサイズ L

(mm)

W

(mm)

定格電力(W) タイプ
Device Package
R-US R0201 0603 0.6 0.3 0.05 KOA RK73K

北陸 CPES

釜屋 RMC

R0402 1005 1.0 0.5 0.063
R0603 1608 1.6 0.8 0.1
R0805 2012(2125) 2.0 1.25 0.125
R1206 3216 3.1 1.6 0.25
R1210 3225 3.1 2.5 0.5
R2010 5025 5.0 2.5 0.75
R2512 6432 6.35 3.1 1.0 ※2

※表中の寸法3.1の数字はメーカによって3.2と書いてあるメーカもあります。

チップ抵抗については定格の50%~60%を目標に設計しましょう。

電子部品の使い方 --抵抗器--」も参考にしてください。

個人的に製作するのであれば、サイズは1608までが失敗した時に付け替えられるサイズです。基板製作メーカのホームページには1005まで”手はんだ可能”と書いてありますが、このサイズになると道具から揃えないとうまく半田付けできません。

2        コンデンサ

コンデンサのシンボルについてもUSタイプとEUタイプがありますが、どちらを選ぶかは好みです。

2.1         C-US(American symbol)タイプ

C-US(American symbol)デバイスのコンデンサのシンボルは下図になります。

rcl.lbr mmサイズ L

(mm)

W

(mm)

Device Package
C-EU C-USC0201 0603 0.6 0.3
C-USC0402 1005 1.0 0.5
C-USC0603 1608 1.6 0.8
C-USC0805 2012(2125) 2.0 1.25
C-USC1206 3216 3.2 1.6
C-USC1210 3225 3.2 2.5

L列に記載したサイズ3.2は、抵抗の表では3.1と書いてありますが、表を作るにあたって、YageoとWalsinのカタログを見て、どちらも3.2と記載してあったので3.2としました。

2.2         C-EU(European symbol)タイプ

C-EU(European symbol)デバイスのコンデンサのシンボルは下図になります。

rcl.lbr mmサイズ L

 

W

 

Device Package
C-EU C-EUC0201 0603 0.6 0.3
C-EUC0402 1005 1.0 0.5
C-EUC0603 1608 1.6 0.8
C-EUC0805 2012(2125) 2.0 1.25
C-EUC1206 3216 3.2 1.6
C-EUC1210 3225 3.2 2.5

2.2         コンデンサ選択の注意点

電子部品の使い方 -コンデンサ-」にも書きましたが、

チップコンデンサは小型化が進み現在は0603、1005タイプが主流となっています

基板を製作してくれるメーカが保有するチップコンデンサも1005となっています。

チップコンデンサはDCバイアスによって容量が低下するという特性があるので、あまり小さなものは使いたくないのですが、世の中が1005の方に向かってしまっているので、まず検討するコンデンサは1005とし、それでも間に合わない高容量のコンデンサについては大きな物を選ぶという方法をとるのが一般的です。

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