博覧強記

ビッグマック指数と日本の物価

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1 ビッグマック指数

各国の経済力を測るための指数として、マクドナルドで販売されているビッグマック1個の価格を比較するビッグマック指数があります。
この指数を掲載しているのは、イギリスの週刊新聞『エコノミスト』で、最新のものは2021年7月21日に下記に掲載されていました。
https://www.economist.com/big-mac-index

図 1は、アメリカのビックマックの価格を100とした場合に各国の価格を相対値で示しています。
日本の指数は62.8%で、世界全体で31位。

図 1 ビックマック指数

アメリカのビックマックの価格は$5.65(621円)で日本では同じものが390円で販売されています。

各国で調達する材料原価の差異もありますが、大きなウェイトを占めるのは、何と言っても
人件費です。

基本、日本人の人件費が各国の比べて安いのが反映されています。

対アメリカに対して、2000年からのビックマック指数の推移を図 2に示します。
アメリカでは、お肉も安く調達できるでしょうが、それでも、2000年からの統計では、アメリカの値段は殆ど日本を上回っています。

図 2 米国に対する日本のビックマック指数の相対値
https://jp.tradingview.com/chart/
上記のサイトから為替相場の推移を見てみました。

データではビックマック指数が上昇する時期は円が相対的にドルに対して高い時に重なるのが分かります。
しかし、ここ5、6年の指数低下は、為替以上のものがあります。

図3 為替相場の推移 ドルvs円

2 平均賃金

最近、iPhoneの価格についても賑やかに論議されています。
日本のiPhone 13価格(20万円弱)はなぜ「平均月収の6割」にもなるのか。
もともとiPhoneは高いですが、各国の平均賃金を比較すると日本はG7でもイタリアに次いで下から2番目の低さです。
https://data.oecd.org/earnwage/average-wages.htm

図4 2020年の各国の平均賃金

アメリカの2020年の平均賃金$69.4k(763万円)を比較すると、日本は$38.5k(424万)で、年収の平均値で56%程度となります。
ビックマックは国内で作りますので、国内の人件費が加算されますが、iPhoneのように、中国、インド等で生産されたものを輸入した製品では、国ごとの差異が出にくいため、所得の低い国では、随分その価格にインパクトがあります。
まあ、日本人は日本を所得の低い国と思ってはいないでしょうが、いつの間にかそんな国になってしまっています。

3 消費者物価指数

所得の差異の経緯を、アメリカと日本の消費者物価指数から追ってみましょう。
データは以下から拾いました。
https://ecodb.net/country/US/imf_cpi.html

図 5 米国と日本の消費者物価指数の推移

2000年を起点として、アメリカと日本の物価の変化をグラフにしてみました。
このグラフを見ると、この20年でアメリカの物価が50%近く上昇したにも関わらず、日本はほとんど変化していません。
物価の安定は、国民の給料にも反映されています。
この20年間の推移は下記から拾いました。
https://data.oecd.org/earnwage/average-wages.htm
日本の賃金は20年間 全く変化していませんね。

 

図 6 日本の平均賃金の推移
ところが、がアメリカでは25%上昇しています。

図 7 アメリカの平均賃金の推移

ここ2年コロナの影響で海外へ出ることがめっきり無くなりましたが、いつの間にか円の価値がその為替相場以上に下落している事がデータから確認できたでしょうか。

今、海外へいくと物の高さに気が付くと思います。

この状態(デフレ)はいつまで続くのでしょうか。

アベノミクスで直近5年ほどは、物価が上がり、インフレ傾向にあることは確かです。

日本国内に製造拠点をもつ製造業は、この低賃金をベースに大きな貿易黒字を上げています。

一時期トランプさんが、円高に誘導しようとしていたことがありましたが、元の状態に戻ってしまっているようです。

賃金は、アフターコロナが良いきっかけとなり、デフレを脱却し、国内の人件費が海外先進国レベルに上がる時期が来ているような気がします。

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