金沢にある谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館、と鈴木大拙館(谷口吉生設計)は建築に興味のある人であれば必ず訪れる場所です。
ちなみに谷口吉郎・吉生は親子で、吉郎氏が金沢出身で、息子の吉生氏は東京生まれの東京育ちのとのことです。
詳しくは後で年表を付けておくので参考にしてください。
どちらも外観はシンプルで、その存在を強く主張していませんが、清廉されたシンプルな建物と展示品をじっくりと観て過ごすのもいいのではないでしょうか。
行き方
谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 周遊バス 広小路下車 徒歩1分
鈴木大拙館 周遊バス 本多町下車 徒歩2分
目次
1 谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館
谷口吉郎・吉生建築館は、谷口吉郎氏の家の跡地に建築した美術館です。
外観はシンプルで、派手な看板もないため、何も考えずに道路を歩いていると、どこかの洒落た会社の建物と思って通り過ごしてしまいそうです。
設計は吉生氏です。
建築がテーマの博物館なので、谷口親子が設計した建築物の紹介がメインです。
その中でも、現存する施設である迎賓館赤坂離宮和風別館「游心亭」の主和室と茶室を忠実に再現展示するスタイルの施設です。
赤坂離宮と言えば、ベルサイユ宮殿風の洋風の建物しか記憶にありませんが、こんな和風の建物もあったのですね。
赤坂離宮を地図で見ると確かに洋風の本館の東側に和風別館がありました。
なんせ、昔は年1回、抽選で当選した時だけにしか見学できない施設で、本館のすばらしさに目が眩むほどで、十分満足して帰って来た覚えがあります。
当時は見学ルートも限られていて、別館は見られなかったのだと思いますが、現在は見られるようなのでまた行ってみたいと思います。
平天井と斜め天井を使った独創的な天井造りとの」ことです。
上の写真のように襖があると少し雰囲気は変わったでしょうが、素人が見ると、高級料亭の座敷程度(それはそれで素晴らしいのですが)にしか見えません。
茶室の雰囲気は日本独特のもので、外国からの要人に茶の接待をすることがあるのでしょうか。
わび・さびの世界ですね。
谷口吉生氏の代表的な建物のパネルです。
東京国立博物館の法隆寺宝物館は、今回訪問した鈴木大拙館と同じように、建物の周辺に水が張ってあります。
展示は 赤坂離宮のレプリカ展示だけですので、物足りないと言えば物足りないですが、建物展示なのですっきりしていてこれはこれでありかな、と思います。
逆にテーマがはっきりしていて、退館後も記憶に残りました。
2 鈴木大拙館(すずき だいせつ〉
そもそも鈴木大拙という人を、ここに来るまで知らなかったのですが、仏教学者、文学博士とのことです。
日本の禅文化を海外に広く知らしめたとのことで、ノーベル平和賞の候補に挙がっていたこともあるようです。
今回は谷口吉生氏の設計した建物自体を見に行きました。
とても、じみ~な鈴木大拙館の表札です。
これが鈴木大拙館の入口の「玄関棟」です。
「玄関棟」を通ると、長い廊下(内部回廊)を渡り、「展示棟」の方へ移動します。
展示棟では世界を巡る鈴木大拙の映像を見ました。
あとは、本人の写真位しか記憶にありません。
基本、物をみるのではなく感じることが大事のようです。
展示棟を抜けると、池(水鏡の庭)にでます。
池の中央には建物(思想空間)があります。
静かに瞑想する場所です。
最近、ストレス軽減効果やリラックス効果がある瞑想を主体としたマインドフルネスか流行っているので、流行りそうな場所ですね。
何分かに一回、水がポコッと湧き出します。
静かなる中にちょっとした外乱を入れて意識を引き戻す効果があるのでしょうか。
思想空間の中はシンプルで長椅子だけが何脚が置かれています。
ちょっと瞑想してみました。
「我思う故に我あり・・・・」なんちゃって。
3 松風閣庭園(しょうふうかくていえん)
鈴木大拙館に隣接した「松風閣庭園」(しょうふうかくていえん)にも行って来ました。
江戸時代初期、加賀藩の重臣・本多家の屋敷に作られた池泉回遊式庭園です。
ガイドさんの話では、兼六園はこの庭園を参考にして設計されたとのことです。
本多家は加賀八家の一つで禄高は5万石。
1万石以上が大名と呼ばれますが、大名家の家臣で5万の俸禄は異例中の異例です。
立ち入り禁止エリアには、白石がきれいに敷かれていました。
雪吊りも終わっています。
次回は加賀本多博物館へも足を延ばしてみたいと思います。
屋敷跡だけは撮影してきました。