永井紗耶子著の「女人入眼（にょにんじゅげん）」は直木賞候補の小説で、鎌倉時代の朝廷と鎌倉の権力争いを女性視点で描いたものです。
大河「鎌倉殿の13人」が放送されている時期と偶然か故意か重なって、時代背景が理解しやすいのですが、何せ登場人物が多すぎて関係が分からなくなってしまったので、図を描いてみました。
通常の歴史小説は、武士の戦の物語ですが、今回は女性を中心にした歴史物。
北条と比企の争いの背景にある鎌倉殿の後継を狙う乳母で作り上げた人物関係。
比企が頼朝の乳母の比企尼を核に、鎌倉政権に如何に入り込んでいったかがよく分かります。
同時に、朝廷側では権大納言派と関白派の争い。
自分血筋の娘を天皇に近づけて皇子を生ませます。
そして、朝廷のポストを得て覇権を握ります。
ポストを得ることは、単に朝廷内の権力を得ることだけではなく、地方の所領をも得ることを意味します。
小説の中では、大江広元の娘である「周子」は架空の人物に思われます。