「中央構造線」は、日本がまだアジア大陸の一部だった頃に誕生した長大な断層です。
日本の南にはフィリピン海プレートがあり、押し寄せて来ていますが、「中央構造線」は、あくまでも現在の日本が乗ったユーラシアプレート上の断層であり、プレートの境界ではありません。
出来た当初は、南北方向でしたが、その後日本列島が大陸から離れる地殻変動があり、右回りに回転し、現在は西日本を東西に貫く方向となりました。
中央構造線長篠露頭は長篠城址のすぐ近くの豊川沿いにあります。
右手の丁度竹が倒れているあたりが、断層面となります。
中央構造線長篠露頭
この露頭 (岩石が露出しているところ)は、2007 (平成19)年4月23日に新城市の天然記念物 (地質・鉱物の文化財) に指定されました。
下部 (黒く見える岩石) の三波川帯(さんばがわたい)の結晶片岩の上に領家帯(りょうけたい)の花崗岩 (白く見える岩石) が乗り上げたようになっています。
三波川結晶片岩(けっしょうへんがん)は低温高圧の変成を受けた岩石です。
領家花崗岩は地下のマグマが冷えてできた岩石です。
ここで見られる岩石はどちらも断層の活動で圧砕作用(あっさいさよう)を受けて断層岩になっています。中央構造線では、 これらの成因の異なる岩石が断層を境に接しています。
中央構造線は、日本列島の関東から四国まで続く日本最長の断層帯です。
中部地方から四国にかけて、上空からはっきりとみることができます。
長野県の諏訪湖の南から直線的な南北の谷をつくり、静岡県の佐久間で向きを変え、 愛知県に入ります。
宇連川、 豊川の谷をつくり、西へ向かい紀伊半島 四国へと続きます。
中央構造線が横断する長篠大橋上流の豊川河床には断層岩(花崗岩源のマイロナイト)が300mにわたり観察できます。
この近くにある お正月の初詣で有名な豊川稲荷も中央構造線の上に建っています。
これを機会に、他の中央構造線の露頭を見に行きたいと思っています。
長野県にある大鹿村中央構造線博物館では、露頭も含め詳しい展示も見られそうなので近いうちによってみようかと思ってます。