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人工的に作られた千葉県君津市の「濃溝の滝・亀岩の洞窟」

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清水渓流広場(濃溝の滝・亀岩の洞窟)は千葉県君津市の山の中にあります。

滝や洞窟は「川廻し」と呼ばれる土木工事により人為的作られたもので、洞窟の反対側から差し込む日の光が、3月と9月の彼岸時期の朝にハート形になることで有名になりました。

 

駐車場から洞窟に向かって南に真っすぐ進みます。

眼下に洞窟が見えました。

この名所がどうしてできたのか、説明があります。

川廻し (かわまわし)の方法

川廻しとは、 川のくびれの部分をトンネルや切り通しにして流れを変えた工事のことです。

また、 その結果生まれた地形のことも指しています。

「まわす」という言葉のイメージとは反対に、実際にはショートカットしています。

古川の部分には水が入らないように堤を築き、 水田に変えます。

小櫃川水系では、 万治年間(1660年前後)に野村藤右衛門(のむらとうえもん)によって最初の川廻しが行われ、周辺に広まったと伝えられています。

※笹地区の「甲坂下(かぶとざかした) の川廻し」

 

川や滝がトンネルの中を流れる様子は、あまり見なれない風景でしょう。

これは 「川廻し (かわまわし)」 という工事で生まれた人工的な景観です。

川廻しは、 上総丘陵や新潟など、限られた地域で集中して行われたようです。

川廻しの目的は何でしょうか? 上総丘陵は、 豊かな森林資源に恵まれた地域ですが、 水田に利用できる平坦な土地は限られていて、 耕地を増やすことが望まれていました。

そこで川の蛇行を利用して、 流れを変える工事を行い、古い川の跡を水田にしたのです。

一般的に、 川の上流の標高は高く、 下流は低いので、流れを変えた時にできる高さの差によって、滝ができることがあります。

見たことのない風景

トンネルをくぐる滝の不思議上総丘陵の川では、流れの緩やかさ、 蛇行の程度、洪水時の水位、そして工事で削る岩石の硬さなどが川廻しに適していたため、 その数が増えていったものと思われます。

川廻しは、全国でも限られた地域でしか見ることができない独特の景観です。

そしてその土地の地質や環境を生かして、 自然と人が共生してきたことを今に伝える土木遺産でもあるのです。

監修 君津市立久留里城址資料館

ハートの形が現れることから観光用に「幸運の鐘」が設置されています。

洞窟は川に降りると正面から見えます。

洞窟の正面。当然ですが、日と時間を選ばないとハートマークは見えません。

でも、この洞窟だけでも十分見ごたえがあります。

昔の河床は今は遊歩道になっています。

 

河床跡から少し登って駐車場に向かいます。

良い森林浴ができました。

この場所は木更津から鴨川に抜ける道すがらにあります。

ふらっと寄ることのできるところにあるので、是非一度立ち寄ってみてください。

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