パターン設計をしていると、どうしても配線をしたくない領域が発生することがあります。
例えば、ヒートシンクの下とその周辺、金属ネジ締めの穴の周り等は一定の距離を確保して線を引きたいものです。
Eagle CADではそんなときに禁止領域を
Layer 41 tRestrict (表面)、
Layer 42 bRestricr(裏面)
に設定します。
目次
1 Restrictレイヤを使わずにホールの周りにパターン配線
まずは、Restrictレイヤを使わずに線を引いてみます。
ホールの周りから一定の距離を取って配線されます。
ホールの端面からパターン配線までの沿面距離は1.00mmとなっていました。
この値は下図のDRC(設計ルール)の”Copper/Dimension”項で設定した40mil(1.016mm)の値です。
何の設定もしないと、基板の断面からの距離はこの距離となります。
2 Restrictレイヤを使ってホールの周りにパターン配線
今度は Layer 41の tRestrictに禁止領域を設定しましょう。
ホールの中心と同じ中心のCircleをtRestrictレイヤに置きます。
この場合、ホールの直径はφ3.2です。
今回設定した禁止領域の円の範囲はφ6としました。
下の図のように、”Width”の値を0 として、半径3を入力すると円全体にハッチングがかかり禁止領域として表示されます。
この状態で線を引くと、下の図のように禁止領域に沿って配線されます。
ネジ締めで、基板を固定する場合は、ネジの反対側にもネジ受けのボス等がありますので、その受け部にパターンが接触しないように配線禁止領域を設定することもあります。その場合は
Layer 42 bRestricr(裏面)
に禁止領域を設定して作業を行います。
3 他の形状
3.1 四角形の場合
角の部分は設定ギリギリまでパターンが近づきますが、辺の部分はどうしても距離を取ろうとします。イメージ的には対角線で円を描いたような領域でした。
3.2 ポリゴンの場合
こちらの方も理由は分かりませんがギリギリまで配線するところと、一定の距離を取るところがあります。
これらの問題については、オートデスクのフォーラム等で見つけたらこの記事に追記します。
今回はパターン配線の禁止領域にかかわる設定でしたが、ビア、パッドや部品配置の禁止領域を設定するレイヤもあります。
そのレイヤの使い方については「部品配置禁止領域(Keepout)を設定する」の記事で説明します。