電子回路

電子回路部品はE6系列をむねとすべし

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1.       定数の系列

回路工作にあたり、部品の定数は、数式でしっかり出したものと、この位の値だろうと勘で決めるものがあると思いますが、これから使おうとする抵抗、コンデンサ、コイル等の定数はあらかじめJISで規格化された数値で製造されています。

それがE6、E12、E24といった系列の数字です。

E3~E24系列一覧 (JIS C5063)

E3 E6 E12 E24
10 10 10 10
11
12 12
13
15 15 15
16
18 18
20
22 22 22 22
24
27 27
30
33 33 33
36
39 39
43
47 47 47 47
51
56 56
62
68 68 68
75
82 82
91

系列にはE3、E48、E96、E192とありますが、E3は少なすぎ、E48以上は多すぎます。 基本必要な系列はE6~E24までです。基本設計はE6ベースで行い、計算を使って出した設計値に近づけたい場合はE12を、スペースや、パターン作成後の修正等でどうしても必要な場合はE24を使って設計するというスタンスで部品選択をすることが重要です。この系列を一番意識するのは抵抗ですが、よっぽどのことが無い限り、E12系列の抵抗を直、並列に組み合わせれば、目的とする抵抗値はできます。特に、最近はチップ抵抗の小型化が進んでいますので、昔のように、実装面積を稼ぐために、E24やE48の系列抵抗を導入する必要性が少なくなりました。

2.       規格化された数値の意味するところ

下記のグラフはE12系列の連番を横軸にし、縦軸にそれぞれの連番に対応する1kΩ~10kΩの抵抗値を入れ、折れ線グラフにしたものです。見ての通り、連番が大きくなればなるほど、隣の抵抗値との差異が大きくなります。 「1kΩ、2kΩ、・・・10kΩと等分増加してくれれば良いのに」と思うかもしれません。

下記は上と同じグラフですが、縦軸を対数に変更したものです。どうですか、今度は線が直線で等分増加しているように見えますね。そうです、規格化された定数というのは対数にすると均等になるように配分されているのです。

 

3.       対数の意味

回路を構成する部品のうちで、よく使う抵抗の範囲は1Ω~1MΩでしょうか。この範囲において、欲しい抵抗値をピンポイントで入手できれば良いのですが、そんな都合の良いものはありません。そんなことをしたら、とんでもない種類の抵抗が必要となり、製造側も使う側も管理が破綻してしまいます。

標準化された値の中で物作りをするのが基本です。

人が、10本の指を使って、数を数える時 1、2、3・・・と指折り数えますよね。では、桁上がりしたときはどうしますか? 10、20、30・・・と10ずつ数えますよね。更に桁があがったら100、200、300・・・となりますよね。これは、極限られた狭い範囲だけに適用できる数え方です。

数字の桁が小さな桁から大きな桁にダイナミックに変化する世界では全域で等間隔な数値を抽出することは、困難です。こんな場合、

均等に分散された値を得ようとした場合は、対数を使って等分した値を使うのが普通です。

しかも、自然界の現象そのものも、要因と効果は対数的に変化するものなのです。

身近なものでは、手の甲に指を押し当てたときに最初は軽く、だんだん力を入れて強く押していったときに、指の力の強さと、甲の表面で感じる圧迫感は、数字で示す押し圧に比例するのではなく、むしろ対数で表現される直線性に近いものだと言われます。

耳で感じる音圧、音程、目で感じる光度、鼻で感じる臭気についても同じことが言ええます。

卑近な人の五感についての例を挙げましたが、

自然現象を応用して作る電子回路もまた、選定部品の定数と、その結果、変化する出力は対数的に変化するということになります。

1と10の中間はいくつでしょうか?

と問われたら、私なら 3.3と答えちゃいますね。

上の対数グラフを見ると、3.3が中間にあることが分かります。

具体例として、開発現場において、ノイズ対策を行う時に、コンデンサを交換してその効果を確かめたい時、

ポイント

例えば1μFで効果がなかった場合は5.8μFにするのではなく、3.3μFにし、3.3μFで効果が無かった場合は6.8μFにするのではなく、10μFにする。

といった部品の付け替え方の方が早く、正解にたどり着ける可能性が高いのです。

 

4.       E6系列を主設計値として使用するメリット

最近は部品がどんどん小さくなっていきますが、さりとて、定格電力値を考えると、小型の部品だけで、成立する回路だけではありません。

小型部品も使いつつ、大型の部品も使用することになり、次々に部品数が増えてゆきます。

部品数が増えると、手配したり、在庫を持ったり、機械に装着したりする手間が増えます。材料費だけ考えると、コストアップは関係ないかもしれませんが、製造コストはそれらの管理費も含めての値段となりますので、できるだけ手間のかからないように、部品の種類は少なくした方が有利なのです。

このとき回路設計の初めからE6を基準として設計する努力をしてください。結果的に部品点数を削減することが可能となります。

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