美術館/博物館

青森県立美術館 シャガール:バレエ「アレコ」 のための背景画は一見の価値あり

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青森県立博物館は、山内丸山遺跡に隣接する施設です。

棟方志功、奈良美智、成田亨など青森ゆかりの作家を中心にした作品を展示しています。

 

1        棟方志功作 「花矢の柵」

心の矢で美しい花を射止める図というのがこの作品の狙いということです。

 

2        今純三 奥入瀬渓流・阿修羅の流

現地にも行って来ました。「十和田湖の水が一気に噴き出して作った奥入瀬渓流

3        ねぶた・ねぷた祭り

青森市の「ねぶた祭り」 や弘前市の「ねぷた祭り」 はもともと「ネブタ (ネプタ) 流し」とも呼ばれていた行事で、両市のほか、津軽地方や下北地方の各地でも行われています。

人形や扇形の大きな灯籠を作り、 夜になると明りをともし、笛や太鼓ではやしをつけて町中を練り歩く勇壮で華やかな祭りです。

祭りの期間は時代や地域によってちがいますが、 現在では青森市が8月2日から6日まで夜間運行し、7日はナヌカビといって朝から始まります。

そして、 この日はねぶたを海や川へ流したものでした。

現在、 青森市ではこの日の夕方から海上運行をしています。

祭りの名称はもともとどこの地区でもネブタ、 ネプタの両方が用いられていましたが、 祭りが観光化するにしたがい、青森市では昭和33年から 「ねぶた祭り」、 弘前市では昭和32年から 「ねぷた祭り」 に定着して現在にいたっており、昭和55年に両者とも国の重要無形民俗文化財に指定されています。

 

4        マルク・シャガール   バレエ「アレコ」 のための背景画

※『アレコ』(ロシア語: Алеко)は、ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフによる1幕のオペラ。原作はプーシキンの物語詩『ジプシー』

4.1         第1幕 《月光のアレコとゼンフィラ》

バレエ「アレコ』舞台背景画 第1幕

月光のアレコとゼンフィラ

1942 年

テンペラ・綿布

887.8×1472.5cm

バレエ『アレコ』の背景画は、ナチスドイツの迫害から逃れるため、アメリカへ亡命したシャガールが、ニューヨークのバレエ団「バレエ・シアター」 から依頼を受けて制作したものである。

アレクサンドル・プーシキンの叙事詩 『ジプシー』 を原作としたこのバレエで演じられるのは、貴族の青年、アレコと 「ジプシー」 の娘ゼンフィラの悲恋の物語。

文明社会に嫌気がさしたアレコは、自由をもとめて 「ジプシー」 の一団に加わり、 そこで長の娘ゼンフィラと恋に落ちる。

しかし、 時がたつと浮気なゼンフィラは別の 「ジプシー」の若者に心を移してしまう。

それを知ったアレコは、嫉妬にくるい、 ゼンフィラとその新しい恋人を死に追いやり、最後には 「ジプシー」 の一団から追放される。

第1幕に描かれるのは、 「ジプシー」 が流浪の生活をおくる大平原の様子。

夜空には満月がこうこうと輝き、湖はその光を映している。

大地には流浪の民である 「ジプシー」のテントが点在する。

右側には恋の渦中にあるアレコとゼンフィラが寄り添って宙に浮かんでいる。

画家は二人の姿を、 一つの閉じたシルエットの中に一体化して描くことでその愛による結びつきを示す。

背景画の前では、愛し合うアレコとゼンフィラの情熱的なダンスが繰り広げられ、 幸福な時間が流れる。

しかし、 幕の後半では、一人の 「ジプシー」の若者が身近な者から殺される運命にあることを、占いの娘から予言され、 大きな不安が舞台に広がる。

 

4.2         第2幕 《カーニヴァル》

マルク・シャガール (1887-1985)

バレエ「アレコ』 舞台背景画 第2幕

カーニヴァル

1942 年

テンペラ・綿布

883.5 x 1452.0cm

大道芸を披露しながら村々を渡り歩く 「ジプシー」 の陽気な暮らしぶりが演じられる第2幕。

祝祭的な雰囲気に包まれたこの場面を代表するのか、 右側に描かれたバイオリンを持つ熊である。 楽器を奏でる擬人化された動物の姿は、シャガールの絵の中にしばしば登場する。 ここで画家が熊を選んだの、プーシキンの原作中に、 「ジプシー」 の一団が、 飼いならした熊を連れている様子が記されているからだろう。

左側には、しかくい背景幕の中に広大な平原を閉じ込めるかのように、ロシアの農村の家々がカーブの中に描かれる。

黄色い大地の上に広がる紅色の空、青々と繁る木の葉、 その中に咲く赤紫色の花、ぽっかりと浮かんだ水色の雲。

白の地色が、 個々のモティーフの歌い出すような明るい色彩を、 効果的に引き立てている。

 

4.3         第3幕 《ある夏の午後の麦畑》

マルク・シャガール (1887-1985)

バレエ「アレコ』 舞台背景画 第3幕

ある夏の午後の麦畑

1942 年

テンペラ・綿布

914.4 x 1524.0cm

フィラデルフィア美術館 (レスリー&スタンリー・ウェストレイク寄贈, 1986年)背景画第3幕 《ある夏の午後の麦畑》 はアメリカのフィラデルフィア美術館の収蔵作品だが、同館の改修工事を機に長期借用が認められ、 現在特別に展示されている。

この背景画に描かれるのは、真っ赤に燃える二つの太陽に照らされた黄金の麦畑。

実り豊かな麦畑を背景にした舞台では、農村の青年や娘たちによる官能的なダンスが繰り広げられる。

夏の午後のひと時を楽しんだ若者たちが立ち去ると、 ゼンフィラとその新しい恋人の若い 「ジプシー」 が入ってくる。

二人の間に甘い時が流れる。

アレコはゼンフィラに、 自分のもとにもどってくるよう懇願するが、 新しい恋人に心を奪われてしまったゼンフィラはまったくとりあわない。

落胆しその場から立ち去るアレコ。

ゼンフィラと恋人の 「ジプシー」 は喜びのマズルカを踊る。

夏の空に君臨する二つの太陽の灼熱の赤からは、はじまったばかりの恋に夢中になるゼンフィラと新しい恋人の激しい情熱と官能を感じ取ることができる。

一方、これらの太陽とは対照的に、 冷え冷えとした青色で描かれた小船の上で、孤独に櫂(かい)をこぐ人は、恋人を奪われ一人取り残されるアレコの姿かもしれない。

 

4.4         第4幕 《サンクトペテルブルクの幻想》

バレエ「アレコ』 舞台背景画 第4幕

サンクトペテルブルクの幻想

1942 年

テンペラ・綿布

891.5 x 1472.5cm

最終の第4幕。 ゼンフィラを失い、嫉妬に燃えるアレコを狂気が襲う。

真っ赤に染まったサンクトペテルブルクの街並み。

「青銅の騎士」像のシルエットが闇夜に浮かんでいる。

荷車をひく白い馬が、 宙に浮かぶシャンデリアをめがけて夜空を駆け上がる。

左下には悲劇的な結末を暗示る墓地や教会、 それに十字架上のキリストが描かれる。

舞台では悪夢にうなされるアレコの周りを、 奇怪な化け物たちが現れては消え、消えては現れる。

錯乱したアレコは、仲むつまじく連れ添うゼンフィラと 「ジプシー」の若者の姿を目にし、怒りのあまりゼンフィラの新しい恋人を刺し殺す。

愛する人を失い、 生きる意味を失ったゼンフィラは、アレコの手にするナイフに自らの身を投げ出し、 恋人とともに死んでいく。

サンクトペテルブルクの街や 「青銅の騎士」 像など、原作者プーシキンとの関連性を強く意識させるモティーフが見られることから、 この幕には、同じロシア生まれの偉大な文豪、プーシキンに対するシャガールからのオマージュが込められているとする解釈もある。

1942年9月、メキシコで行われたバレエ 『アレコ』の初演は大成功を収め、アンコールは19回に及んだと伝えられる。

 

5        奈良美智(ならよしとも)

5.1         《あおもり犬》

奈良美智(ならよしとも)の《あおもり犬》は美術館を代表する作品です。

地中から上半身をニュっと出した犬で、三内丸山遺跡を意識して制作されたという事です。

 

5.2         Miss Forest

「八角堂」と呼ばれる場所の内部にあります。

「大地や空の波長を感じてほしい。」というのが作者が作品に込めた思いです。

遠くから見ると像の頭の尖った部分だけが見えて“なんだろう?”と興味をそそります。

 

5.3         パフ・マーシー

5.4         HULA HULA GARDEN

5.5         その他

シャガールの背景画の実物はとても大きくて圧倒されます。

そりゃ実際の劇場で使っていたものなので大きいでしょうが、一度自分の目で見て確かめることをお勧めします。

そして全て本物というのも驚きでした。

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