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日本株高配当投資

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この何十年かで、株価が大きく上がったアメリカ株に比較して、日本株は未だ32年前の1989年12月29日に記録した日経平均株価の史上最高値38,957円を超えられないままでいます。

コロナ禍による株価下落からいち早く回復したアメリカ株に続き、日経平均が3万円を超えて大きく飛躍するとの呼び声も空しく、2万7~9千円台をうろうろする日本株は、過去のパフォーマンスも含め駄目さ加減を指摘する記事で一杯です。

そんな中、珍しく日本株の可能性を謳った本に出合いました。

本のタイトルは

[NISAで利回り5%を稼ぐ 高配当投資術 なぜバフェットは日本株を買うのか (日本経済新聞出版)]です。

残念ながら株価で儲けると言った内容ではなく、配当狙いのため、長期で株を保有し、資産形成することが目的の本です。

日本では年2回の配当実施が主流です。

たいていは、本決算(3月)と中間決算(9月)に株主として登録されているとその権利が得られます。

実際に配当金の支払いが行われるのは、決算日から約2ヶ月後ですので、5月・11月ごろに配当を受け取ることができます。

 

金融株、資源関連株、製造業株に株価情報から見てきわめて割安で配当の高い銘柄が多いので、それらがねらい目ということです。

備忘録も兼ねて、このブログに要旨を残しておこうと思います。

ただし、株価などについては本に記載の2021-4-30時点の値を、このブログを書いている2021-12現在のものに書き換えています。

本に書いてある株価は記載しませんが、「旨味のある株価にしては、対して上がってない」と言うのが約半年たった今、現在値と比較した感想です。

もっとも、最近のオミクロン・コロナで下がった直後ではありますが。

あくまでも配当狙いなので、安定していた方が良いとは思いますが、株の楽しみとしては株価自体の上昇も狙いたいので、アグレッシブに攻めたい人には不向きかもしれません。

それでは以下、章立てに従って要旨を記載します。

 

1        五大商社

業績が良いのに安い五大商社。

不人気の理由は「資源関連株」と思われていることです。

しかし、五大商社ともリーマンショック前から収益に占める資源事業の比率を減らし、資源価格の騰落に影響されない体質を作り上げてきました。

その投資先は消費関連(コンビニ、アパレルなど)、海外電力、食料品事業です。

そのためコロナショックでも大きな減損は発生せず逆に増配もしました。

 

PBR 1以下、PER 15以下は割安です。

三井物産の配当利回りは3.64%ですが、2021-11-2の上半期利益報告では、前年同期比2,946億円増益の4,046億円利益だったにもかかわらず配当が渋かったため株価は大暴落しました。(もっとも2週間くらいで元に戻りましたが)

投資家の考え方がだんだんアメリカ的になったということでしょうか。

それとも株主の外国人が失望売りしたのでしょうか。

伊藤忠商事以外は右肩上がりです。

数字を比較すると特に住友商事は魅力的ですので、下がったタイミングで購入し、低リスクで長期保有するのは良いと思います。

2021-12-8現在

コード 銘柄 株価 予想PER 実績PBR 配当利回り
8001 伊藤忠商事 3473円 6.88 1.37 3.17%
8002 丸紅 1072円 5.32 1.08 4.76%
8031 三井物産 2609円 5.861 0.89 3.64%
8053 住友商事 1646円 5.41 0.75 5.47%
8058 三菱商事 3578円 6.86 0.9 3.97%

 

2        「もしバフェ」5銘柄

「もしもウォレン・バフェットが日本株のファンドマネージャーだったら」という仮定で、著者がバフェット目線で選んだ有望株です。

 

2021-12-8現在

コード 銘柄 株価 予想PER 実績PBR 配当利回り
8306 三菱UFJ 634.5 7.74 0.46 4.41%
5020 ENEOS 438.9 5.03 0.56 5.01%
6758 ソニー 14270 24.22 2.5 0.39%
9020 JR東日本 7150 --- 1.14 1.4%
9433 KDDI 3346 11.41 1.53 3.74%

 

2.1         三菱UFJ

収益基盤がしっかりしている割に株価が異常に安いメガバンク。

 

2.2         ENEOS

エネルギー総合企業で、原油資源開発から石油製品まで一貫生産できる強みを持ちます。

また脱炭素に向けて水素ステーションの運営も行っています。

 

2.3         ソニー

ITを駆使して稼ぐ総合エンターテインメント企業。

配当利回りは少なく、成長株ととらえています。

ソニーといえば、古い人はラジオ、テレビ等の黒もの家電のイメージが強いですが、実は利益の中心は、ゲーム、映画、音楽、金融に移っています。

ゲームの世界ではGAFAMはソニーと任天堂には勝てず世界市場を独占しています。

リオ五輪での安倍元総理のマリオでのパフォーマンスや、東京五輪の入場行進曲にドラゴンクエスト、ファイナルファンタジー、モンスターハンター等のゲーム音楽が使われたことは日本発のゲームがいかに世界の人たちに親しまれているかを物語ります

 

2.4         JR東日本

コロナで大打撃を受けましたが、観光、不動産、小売り、金融と言った多角経営で収益力を上げています。

新幹線主体のJR東海と違い、地価の高い首都圏に沢山の物件を抱える強みがあります。

コロナで収益はかなり落ち込みましたが、コロナ禍が落ち着いたら有望な株です。

 

2.5         KDDI

通信以外にさまざまなITサービスを手掛け安定高収益を維持してゆくと思われます。

 

3        水素関連企業

SDGS「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」銘柄が最近のトレンドですが、脱炭素の切り札、水素を扱う会社の銘柄です。

ただし、株価についてはトヨタ以外には、この本を出版した頃からパッとしません。

むしろ下がっています。

かなり先の社会インフラなので現時点で、会社の業績を左右する技術ではないことが理由かと思われます。

2021-12-8現在

コード 銘柄 株価 予想PER 実績PBR 配当利回り
7203 トヨタ自動車 2,052円 11.09 1.15 2.34%
5020 ENEOS 431円 4.94 0.55 5.1%
4406 新日本理化 253円 15.71 0.6 1.19%
6331 三菱化工機 2281円 9.92 0.67 2.63%
6369 トーヨーカネツ 2537円 11.34 0.57 4.14%
8088 岩谷産業 5780円 12.64 1.32 1.3%

 

3.1         トヨタ自動車

世界に先駆けハイブリッド車を出したトヨタですが、今、世界ではガソリンを使う車がすべて悪という風潮があって、トヨタのハイブリッド車もその仲間と見られています。

現時点でテスラを代表とするEVが次世代のエコカーの本命ですが、次の次が、トヨタが開発する燃料電池車(FCV)となります。

2020-12-9にはMIRAIを発売しています。

水素ステーションの数はわずか154ヵ所で、なおかつそれらは4大都市圏が中心ですので、現時点では使い勝手の悪い車です。

それでも、世界をリードする車に成長してくれたら良いと思わずにはいられません。

 

3.2         ENEOS

水素のサプライチェーン構築に向け計画しています。

3.3         新日本理化

京都の宇治川の豊富な水から採取した酸素を販売することを目的に創業し、 副産物となる水素の有効利用を目指して事業を展開しいる。

3.4         三菱化工機

水素を製造する「オンサイト型水素ステーション」や、他の場所で製造された水素を輸送し、水素ステーション内の蓄圧器に貯蔵する「オフサイト型水素ステーション」に取り組んでいます。

3.5         トーヨーカネツ

大型液化水素タンクの開発を推進しています。

3.6         岩谷産業

水素ステーションやFCVなど、水素のアプリケーションを安全かつ合理的に社会に広めていくための規格や体制づくりに向けとりくんでいます。

 

 

4        ダウの犬

単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大事。

その条件は以下です。

規模;売上高や時価総額が大きい。

業績:不況に強い業種に属する。(情報通信、医薬品、食料品など)

財務:借金が少ない。

収益力:経常利益率が高い。

この4条件を全て満たす銘柄はめったにありません。

このうち1つか、2つを満たすだけで十分。

一番重要なのは①です。

 

ダウの犬戦略

NYダウ採用銘柄を配当利回りの高い順に並べ、上位10銘柄を選び、等金額投資。

1年後に、もう一度上位10銘柄を選び、1年前の10社から外れた銘柄を売却し、代わりに上位10銘柄に入った銘柄を買う。

毎年これを続ける。

この単純な投資方法で、NYダウの平均を上回るパフォーマンスを得られます。

この戦略を日本株に適用します。

東証の時価総額上位70社から配当利回りの高い10社を選んでダウの犬作戦を行う。

2021-12-10現在の上位10銘柄は以下です。

2021-12-10現在

コード 銘柄 株価 配当利回り(%) 時価総額(百万円)
2914 日本たばこ産業 2,332.50円 6.6% 4,665,000
4502 武田薬品工業 3,081.00円 5.84% 4,874,921
9434 ソフトバンク 1,490.00円 5.77% 7,132,846
6178 日本郵政 881.2円 5.67% 3,320,247
8411 みずほFG 1,446.50円 5.18% 3,673,025
7182 ゆうちょ銀行 965円 5.18% 3,618,311
8316 三井住友FG 3,864.00円 4.92% 5,310,535
7974 任天堂 53,800.00円 4.13% 6,986,952
8306 三菱UFJ FG 627円 3.99% 8,327,814
8766 東京海上HLDG 6,050.00円 3.88% 4,219,875
8058 三菱商事 3542円 3.78% 5,262,431

 

5        3メガ銀行

 

PBRが驚くほど低い。

金利低下でも高水準の収益を保ってきた。

銀行株はこの上位3社だけ、後は収益力で劣ります。

2021-12-8現在

コード 銘柄名 株価 PER PBR 予想配当(%)
8306 三菱UFJ FG 627円 7.65 0.45 4.47
8316 三井住友 FG 3864円 7.91 0.43 5.43
8411 みずほFG 1446.5円 6.92 0.38 5.53

 

 

6        含み資産株

ハゲタカがいれば近い将来真っ先に狙われそうな株。

物を預かるだけが倉庫業ではなく、さまざまな物流、流通加工作業が行われています。

倉庫は成長する物流の重要な部門となっています。

2021-12-10現在

コード 銘柄 株価 予想PER 実績PBR 配当利回り
9302 三井倉庫 2407円 5.11 0.87 2.91%
9303 住友倉庫 1960円 9.04 0.8 4.39%
9324 安田倉庫 982円 10.54 0.37 2.44%

 

 

7        つなぎ売り

株主優待を低コスト低リスクで得る方法です。

ただし、売買手数料と賃株料がかかります。

9月末基準の優待を得るためには、9月28日(権利付き最終売買日)までに、買いと売りを両方とも行い、権利を得たら9/29日に決済します。

これで低コストで株主優待の権利を確保できます。

 

現在、アメリカ株が高くなりすぎて少し危険な気がしますので、配当狙いの国内株安定株をベースとして持つ手もあるのかと思います。

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