千葉県香取市佐原の街歩き 第3弾です。
目次
1 日本遺産認定 北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み
佐原は水運を利用して栄えた街なので小野川を中心として、商家が立ち並び 江戸時代の面影を残しています。
「お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町江戸優り」
当時の佐原の繁栄ぶりが江戸時代の戯れ歌に唄われています。
1.1 中村屋商店
多くの建物は明治時代の火事で焼失してしまいましたが、「中村屋商店」は火災を免れ、江戸時代からの貴重な姿が残っています。
【中村屋商店】
<建築年代>店舗:安政2年(1855年) 土蔵:明治25年(1892年)以降
明治7年頃より代々荒物・雑貨・畳を商ってきた。
正面の交差した道路に沿った変形の敷地であるため、母屋の角の柱を五角形断面にしている。
内部の架構に工夫をこらし、間取りも変形平面の部屋を設ける等、全体として一階に店舗と台所を、二階には座敷を設けている。
(千葉県有形文化財)
佐原の町並
利根川図志(一八五五年)に「佐原は、下利根附第一繁昌の地なり、村の中程に川有りて新宿 本宿の間に橋を架す(大橋と言う)、米穀諸荷物の揚さげ、旅人の船、川口より此所まで、先をあらそい、両岸の狭きをうらみ、誠に、水陸往来の群集、昼夜止む時なし」と記してあ江戸時代の佐原は「小江戸」と呼ばれ、この周辺の町並には、国指定史跡伊能忠敬旧宅や県指定有形文化財小堀屋本店店舗 全正文堂書店店舗をはじめ、土蔵造りの古い商家がある。
また、関東三大祭りの一つとして数えられる「佐原まつり」は、豪華絢爛を競い、山車で奏される県指定無形民俗文化財佐原囃子は水郷情緒を代表するものである。
昭和六十年六月一五日 県民の日 佐原市
このレトロな街の雰囲気は 小野川を離れても続いており、観光客でにぎわっています。
ただ 道幅が狭いわりに車の交通量が多く おまけに緩やかなカーブがあったりして、なかなか街歩きをするにも神経を使います。
1.1 佐原三菱館
そんな道を歩いていくと、目の前にレンガ作りの建物が現れます。
「三菱銀行佐原支店旧本館」です。
ポイント
【佐原三菱館】
三菱銀行佐原支店旧本館(旧川崎銀行佐原支店)
大正3年に川崎銀行佐原支店(開業明治13年)として、清水建設の前身清水組によって建てられました。
屋根は木骨・銅版葺で、正面建物隅にドーム形式を用いた明治洋風レンガ建築です。
レンガはイギリスから輸入したもので、内部は吹き抜けになっており2階周囲に回廊があります。
「重要伝統的建造物群保存地区」の一画にあり、千葉県有形文化財に指定されています。
見どころ① 文明開化を感じさせる素敵ならせん階段。
窓の開け閉めのため2階の回廊に上る階段です。
円柱を中心に鉄の手すりと木製の踏み板が気品を感じさせます。
見どころ② 大理石と漆喰の装飾が美しい暖炉。
大理石は「新薄しんうす」と呼ばれれ、白色に淡い灰色の模様が入っています。
装飾漆喰はアンセミオン模様で、店舗内正面にあります。
見どころ③ 整然とした美しさを感じる銀行カウンター
防犯用の金網は手作業で製造。
カウンターは静岡県産の欅 一枚板です。
見どころ④ 今も現役 大正3年の窓シャッター
1階、2階の窓についているシャッターは「大野式防火巻上戸(おおのしきぼうかまきあげど)」
大野正さんによって発明され、速度調整装置と自重降下装置が備わったシャッターは今も稼働しています。
見どころ⑤ 銀行の金庫
現在は「佐原街並み交流館」の展示室として使われている金庫。
三菱館の昔の写真や保存・改修の様子などの展示がありました。
「佐原街並み交流館」は、三菱館を拠点にして古い町並みの保存と再生のための活動を中心に観光案内も行っています。
展示物のNHKで取材されたという橋本京子さんの作品 「古い町並みのドールハウス」は必見です。
「中村屋乾物店」「正文堂書店」「中村屋商店」「三菱館」「福新呉服店」「小堀屋蕎麦店」「金平湯」などなど。
とても精巧に そして温かみがある建物が展示されています。
思ったよりじっくり見学した「三菱館」をあとにして、山車会館へ向かいます。
2 水郷佐原山車会館
三菱館から歩いて5分ほど行くと左手側に八坂神社の大鳥居が見えます。
この八坂神社の境内奥 左手側にある3階建ての建物が山車会館です。
【水郷佐原山車会館】
関東三大山車祭りに数えられる佐原の大祭で曳き廻される高さ9メートルにも及ぶ絢爛豪華な山車。
様々な地域の山車が入れ替えられ常時2台展示しており、いつでも祭りの熱気と興奮・本物の迫力を体験することができます。
注:夏祭りと秋祭り前後は入れ替えの為 1台の時があります。
営業時間:9:00~16:30
休館日:月曜日、年末年始(国民の祝日・あやめ祭り期間は開館)
料金:大人400円 小・中学生200円
2.1 1階
ビデオシアター(3面のパノラマ画面)で佐原の街や祭りの様子を観ます。
その横にあるのが「山車の展示室」です。
下川岸地区の「建速素盞嗚尊たけはやすさのおのみこと」見上げるほど大きくて すごい迫力です。
装飾の1つ一つをじっくり見られるので 「関東彫り」の彫刻師さんたちの見事な彫りの気迫を感じます。
鯉の他にも鷹、浦島太郎、桃太郎など 山車の人形たちはバラエティー豊かです。
浜宿区「武甕槌命たけみかづちのみこと」です。
この山車彫刻は嘉永元年から4年間かけて制作されたもので、彫工:後藤茂右衛門正綱の作品です。
山車の車輪(ハンマ)です。この重い山車を曳くのですから凄い強度です。
2.2 2階
佐原囃子の楽器や山車彫刻が展示されています。
山車の人形と目が合うくらいの高さで見られます。
2.3 3階
企画展示室で日本一の大人形を間近で見ることができます。
以前使われていた山車の人形を展示しています。
「佐原の大祭」
夏祭り(八坂神社祇園祭):7月10日以降の金・土・日 10台の山車
秋祭り(諏訪神社祭り):10月第2土曜日を中日とする金・土・日 14台の山車
2023年度は
夏祭り年7月14日~7月16日(予定)
秋祭り10月13日~15日(予定)
この山車が動く様子を一度生で見てみたいと思います。
伊能忠敬記念を目指して訪れた千葉県香取市佐原 歴史を感じて奥が深い地域でおすすめです。
佐原旅に関する他のブログはコチラ