通常のダイオード
ツェナーダイオード
の2種類があります。
図 1 NチャンネルMOSFETのシンボル
図 2 PチャンネルMOSFETのシンボル
これはどういうことでしょうか。簡単に書くと下記の様になります。
ココがポイント
- 電源の開閉等R負荷の開閉であれば、単なるダイオードと思えば良いです。
- FETをOFFした時に、L負荷によってダイオードに逆電圧がかかるときはツェナーダイオードを意識しましょう。
寄生ダイオードはある電圧をオーバーするとアバランシェ降伏する特性があるため、それをユーザーに認識してもらうためにこのような書き方になっているのだと思われます。
データシートにいきなり、アバランシェ電流とかアバランシェエネルギーとか出てくると”何これ?”と思っちゃいますよね。
はてな
アバランシェ降伏とは
ゲートとソースの電圧が0Vの時にドレイン・ソース間に耐圧以上の電圧が印加されると電流が流れます。この電圧はドレイン・ソース降伏電圧V(BR)DSSと呼ばれます。
この電流をアバランシェ電流と呼び、特性表に記載されているものもあれば、図 3のように時間と電流値のグラフがデータシートに記載されている場合もあります。
アバランシェ電流特性は温度特性があり、図 3を見ると分かるように温度が高くなるほど、限界電流値は低くなります。
FDS8882 N-channel MOSFET(オンセミコンダクター)のデータシートから
図 3 アバランシェ電流と継続可能時間
いずれにしても、ドレイン・ソース降伏電圧V(BR)DSSを超えるような使い方はすべきでなく、サージ電圧発生源対策をする必要があります。
明確にL負荷が接続されている場合は、コンデンサ、ダイオード、バリスタ等でサージ対策をすることで対策できます。そうでない場合はスイッチングの切れを悪くする。つまり、「ゲートの立ち上げ、立ち下げ信号をなまらせて動作させることにより、瞬時のピーク電流を下げる。」ことは可能です。しかし、この方法はFETの損失を大きくします。ON/OFFが少ない場合は良いですが、頻度の高い場合は発熱が持つかどうかの見極めが必要です。