お母さんたちは聞きなれない言葉かもしれませんが、幼稚園や小学校、発達機能の教室などではおなじみの「サーキット運動」
室内に「のぼる」「おりる」「跳ぶ」「上を歩く」などなど いろいろな運動ができる道具をコースに設定して、繰り返し行うトレーニングプログラムです。
体操教育に力を入れている幼稚園では、朝の時間や午後の遊び時間にみんなができるように 一日のスケジュールに組まれているところもあります。
体の様々な部分を使う全身運動なので、楽しみながら体を鍛え、体力増進・運動発達を促すので、成長期のお子さんにはとてもいい運動遊びです。
今回はもう少し簡単にした、あんよが上手になり始めた1歳くらい~3歳くらいまでの未就園児のお子さんとお母さんが一緒に楽しめる「サーキットあそび」をご紹介します。
コロナの影響で小さい子向けの様々なイベントが中止になっている昨今 少しでも子どもたちのパワーを発散させて、ついでにちょっとだけ運動発達にもいい刺激になればと思います。
注意
・お子さんのあそびは安全が第一です。危険が無いように室内の環境を整えましょう。(ex 足の引っかかるカーペットや 転んで踏んだり、ぶつけないようにおもちゃを片付ける。など)
・サーキット遊びは通常 広い場所を使います。ご家庭で行う時は広さに合わせ 1~2個の運動工程に減らして、安全の為 必ず大人が付き添いましょう。
・高いところや足もとがぐらぐらするなど、新しい感覚への挑戦をこわがる子も多いです。転んでもケガの無い高さにしたり、ぶつけたり、手をついても痛くない素材の物を選びましょう。
・お子さんの年齢や運動能力、そして、(怖がり・やんちゃ・無鉄砲・慎重)など性格も考えながら 無理せず楽しく行いましょう。
目次
1、年齢や体の発達に合わせた運動(粗大運動)
ねんねばかりだった赤ちゃんが、首が座り寝返りを打って、お座り→ハイハイ→つかまり立ちをして歩く・・・。人間は立って手が動かせ、自由に歩いたり走ったりできるように体は発達していきます。
小さい子にとっては、生活や体を使った遊びの中に 発達を促す運動があり、それは 脳の成長とともに好奇心や興味となって 経験を重ねながら体が覚えて、その動きを獲得していきます。
成長は個々によって進み具合は違います。好奇心旺盛で新しいことにすぐにチャレンジする子もいれば、(こわい!!)と感じる子もいます。
ただ ほとんどがその先の「危険」は分かっていないので おとなの見守りや声掛けが大切になります。
家の中でいつもとは違う遊び環境を作ると お子さんはきっとワクワクしてくれるはず。廊下やお部屋を片付けてサーキット遊びの環境を作ってみましょう。
1-1 あんよが上手になった1歳
歩くようになったおよそ1歳の子のやってみたい運動【歩く・押す・登る・降りる・乗り越える・引いて歩く・運ぶ・くぐる・ジャンプ・ぶら下がる】
保育の場で利用する運動器具もおさえながら、おうちの中にある代替品での遊び方を紹介しましょう。
【いろいろな感触の物の上を歩く】
【ひもの1本橋を歩く】
【布団の山を乗り越える】
敷布団を重ねて、なだらかな山を作って登ります。転がり落ちないように、大人はいつでも支える準備をしましょう。
保育の場では 体操用のマットの下に巧技台を入れることが多いです。
【椅子や段ボールを押す】
ただ押していても達成感が無いので、ゴールを作りましょう。
【椅子や段ボールのトンネルくぐり】
こどもの視野はとても狭いです。自分の体の大きさなどは考えません。遊びに「くぐる」運動を取り入れる時は、体がスムーズに通れるようなものを選びましょう。段ボールトンネルの時は、長さの短いものから始めると 抵抗感は少なくなります。
こどもの視野については 「赤ちゃんのいる生活 ヒヤリ・ハッとしないために 危険を知って対策しよう①~リビング~」
に書いてあるので、興味のある方は読んでください。
【輪っかジャンプ】
小さい子は 線を跳び越えようと思っていても 上手に筋肉が使えずに前に跳べません。その場でもいいので、目標の線を目で意識しながら跳んでみましょう。
最初はその場で跳んで、線はまたいでも良いです。徐々に足が前に出て 前に跳べるようになります。
フープが無くても、毛糸で輪を作ってテープを貼ったり、テープを貼ってラインを作ることもできます。
その他 おとなの手にぶら下がったり、タンバリンや太鼓などジャンプして叩く(高くは跳べませんが)などの動きも楽しいです。
1-2 自分の好きに動きたい2歳~3歳
ぎこちないものの 自分の体を自分の意志で動かすことが出来るようになった2~3歳のやってみたい運動【走る・両足とび・片足ずつ階段を上る・ちょっとした段差を飛び降りる・マットで前転をする・ぶら下がる・引っ張る・登る・滑る・少し高さがあるところを歩く】
ポイント
簡単な動き①と、同じ種類のちょっと難しい動き②を組み合わせて行うと 子どもは自信がついて、難しい事へ何度も挑戦したい気持ちが生まれます。
難しいことにもチャレンジしようとするやる気の基になるので たくさん褒めて、楽しく経験を積みましょう。
【高さのある所から飛び降りる】
(牛乳パックを利用すると 高さ7㎝の台が出来ます。)
【一本橋渡り】
*段ボールや牛乳パックを利用するときは、中に新聞紙や古布などしっかりと詰めて、凹まないようにしましょう。
また、高さがあると踏み外す・転がって頭をうつなど思わぬ事故につながるので、おとなと手をつないで渡り、箱を滑り止めマットや養生テープなどでしっかり留めましょう。
【布団などでおいもゴロゴロ】
前転の仕方は、手の付き方、体の丸め方などコツが必要なので、しっかり体が出来てからがおすすめ。
おうちでやる時は、まず布団の上でゴロゴロと左右に転がりましょう。体の重心を移動させながら回っていくのは結構難しいですよ。
【フープや輪っかでケンパをして跳ぶ】
2歳になりたての時は、なかなか前に跳べないかもしれませんが、(前に跳んで進みたい)気持ちを大切にして、輪っかを並べてみましょう。
足を広げるのは 何回も跳んでいるうちにできるようになるので、気長に見守ってあげましょう。
2 牛乳パックでハードルを作ってみよう
なかなか高さのあるものを飛び越えることは難しいですが、【またいで進む・飛び越える】が経験できる紙パックハードルを作ってみましょう。
① 紙パックを開いて、注ぎ口・底の部分を切り落とす。
② 端の1面に印をつけて切る。(今回は1.8Lのパックを使用)
③ 立体にするため、両面テープで貼り合わせて三角を作る。
④ ホッチキスを使う時は、針側にテープを貼る。
⑤ 目で見て良く分かるように カラーテープを貼ったら完成!
*1.8L紙パックで、高さは8㎝のハードルが出来ました。牛乳パックで作る場合 高さは約6.5㎝くらいになります。
足のついている方向から跳びます。足が引っかかっても箱が倒れます。
【ハードル跳び】
ここに注意
・運動遊びを家の中で行う時は、安全な環境を作りましょう。
・住宅内で行う時は 近隣に迷惑をかけないように、日中の時間帯で行い、騒音対策をしましょう。(トンネルくぐりやおいもゴロゴロ、一本橋渡りなどは音が少ないです。)
まとめ
今回は幼児教室などで取り入れている サーキット遊びのメニューを 家庭でもできるようにアレンジしてみました。
子どもが安心して運動を楽しめるように、おとなは環境を十分に整え サポートをしてあげましょう。
イヤイヤ期のお子さんは おとなに手だしをされることを嫌がりますが、危険のないように、さりげなく手を貸してあげて、(自分で出来た満足感)を十分に味あわせてあげましょう。
3歳くらいまでのお子さんは褒められ上手です。「すごいね」「さすが 〇〇ちゃん」「がんばったね」とたくさん声をかけてあげましょう。
体を動かして、いっぱい褒められた夜は きっとぐっすり寝てくれると思いますよ。