目次
1 全固体電池
電池に対する要求は、電気自動車への移行に伴い高まっているにもかかわらず、リチウム電池の性能が理論的な限界に近づいてきているため、リチウム電池を超える新しい高性能な二次電池が求められています。
その最有力な電池が全固体電池です。
全固体電池とは、電池を構成する全ての部材が固体である電池の事を言います。
現在の電池の構成部材の中で固体でない(液体)のは、電解液だけなので、電解液が固体電解質になったものが固体電池ということになります。
全固体電池には電極材料によってさまざまな種類がありますが、何と言っても主流はリチウムイオンです。
かつて固体電解質は電解液に比べてイオン伝導度が低く、高性能な電池は難しいと考えられてきましたが、伝導率が有機電解液を大幅に上回る新しいガラスセラミック材料が見つかり、がぜん開発が加速しました。
全固体リチウム電池は、高い安全性、耐熱性、低温から高温までの広い使用温度、長寿命、軽量・小型化が容易、大規模組電池も構成可能、急速充電が可能など、ほぼすべての点においてリチウムイオン電池を上回るものとなると予想されます。
国内最大の開発メーカは何と言ってもトヨタ自動車&パナソニック連合です。2020年代前半の実用化を目指しています。
2 2021年3/3~3/5の二次電池展
入口で、検温とアルコール消毒はありましたが、コロナ前と変わらない人ごみでした。
2.1 日立造船
今回 2021年3/3~3/5の二次電池展で各社の全固体電池開発進捗を確認してみたかったのですが、日立造船の展示しかありませんでした。
国際宇宙ステーション(ISS)の日本の実験棟「きぼう」で2021年末にも船外カメラの電源として全固体電池を利用するとの発表がありました。
日立造船の全固体電池はセ氏120~マイナス40度の悪環境でも動作するとのこと。
完全予約制で厳重な閉スペースでの展示でした。
同業他社は入れないつもりでしょうか。
2.2 武蔵エナジーソリューションズ株式会社
二次電池の展示主流はまだまだリチウムイオン電池です。
リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池のハイブリッドシステムによって、瞬発的な出力を出せるようにしてあります。
オートバイの電池としての用途です。
2.3 ホンダ技研工業
リチウムイオン電池のバイク展示です。
こちらはインドで実験的に運転している、バッテリー交換式の三輪タクシーです。
ホンダのパートナーのTORK Motors社が開発したモデルです。
電池の開発はEVへの搭載を目的に日進月歩で進んでいます。
定期的に展示会に確認に行きたいと思います。