下記の回路は電源V3の出力電圧に応じて、LED1~LED4を点灯させる回路です。
コンパレータLM2901を4つ使い、各非反転入力に2.5Vの基準電圧を印加します。
反転入力の電圧が2.5V以下になった時にLEDが消灯します。
目次
表示閾値の仕様
V3の電源12Vの時は、フル点灯ですが、電圧が1V下がるごとにLED1から順番に消灯してゆきます。
つまり、V3の電圧が11VになるとLED1が消灯
10VになるとLED1とLED2が消灯
9VになるとLED1とLED2とLED3が消灯
8Vになると全LEDが消灯します。
計算
上記の仕様を満足する回路として下記の回路図を作成しました。
この時のR1~R5の抵抗の定数を計算で算出します。
Rall=R1+R2+R3+R4+R5とします。
前述の4つの閾値電圧(11V,10V,9V,8V)の時に、それぞれのコンパレータAからD点の電圧が2.5Vとなって出力が反転します。
A点 11V*R5/Rall=2.5V
B点 10V*(R4+R5)/Rall=2.5V
C点 9V*(R3+R4+R5)/Rall=2.5V
D点 8V*(R2+R3+R4+R5)/Rall=2.5V
Rall=1としたときの各抵抗についての比率を算出します。
R5 =2.5/11=0.2273
R4+R5 =2.5/10=0.25
R3+R4+R5 =2.5/9=0.2778
R2+R3+R4+R5 =2.5/8=0.3125
R4=0.0227
R3=0.0278
R2=0.0347
R1=1-(R2+R3+R4+R5)=1-(0.0347+0.0278+0.0227+0.2273)=1-0.3125=0.6875
ここで比率0.6875のR1=33kとすると、48000倍すると各抵抗値が算出可能です。
各抵抗比率を48000倍し、E24シリーズの抵抗から以下の値を選びました。
R5=0.2273*48k=10.92 →11k
R4=0.0227*48k=1.08k →1.1k
R3=0.0278*48k=1.334k →1.3k
R2=0.0347*48k=1.666k →1.6k
最終の閾値電圧を算出します。
Rall=33k+1.6k+1.3k+1.1k+11k=48k
最終の閾値電圧は以下です。
A点 2.5V*48/11=10.9V
B点 2.5V*48/(11+1.1)=9.9V
C点 2.5V*48/(11+1.1+1.3)=8.96V
D点 2.5V*48/(11+1.1+1.3+1.6)=8V
選択した抵抗値をE24シリーズから選択した分、当初の閾値からずれましたが、実使用上は問題ないと思います。
念のためシミュレーションで確認してみましょう。
検知電圧V3を徐々に上げてゆくと、LED4から順番に点灯してゆきます。
以上です。