美術館/博物館

『がきデカ』から40年以上、「八丈島のきょん」は八丈植物公園に健在

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八丈植物公園は八丈島の中央部、飛行場からすぐのところにあります。

最大の売り物は、園内で飼育されているキョンです。(だと思っています。)

昔の漫画で“山上たつひこ”の『がきデカ』というのがありましたが、その主人公こまわり君が「八丈島のきょん」という意味不明のギャグを連発していたため、いつか八丈島でキョンを見るのが夢のようになっていました。

しかし、東京の離島は意外に旅費がかかります。

沖縄に行くより高い。

という訳で、今まで行かないでいましたが、2022-6 東京都が「もっと東京」キャンペーンを始めたことで行くなら今しかない! と思い切りました。

 

1        エントランス

公園の看板前の石は、八丈島を模ったオブジェになっているということでした。

確かによく見るとそんな感じがしますが、説明してもらわないと単に不均等に石が積み上げてあるだけで意味が分かりませんでした。

横から見るとそれらしい島の形らしい雰囲気がありますね。

 

2        温室

温室前に植えられたタコノキです。

もともとは小笠原諸島の固有種です。

果実が固まったパイナップル状の集合果をつけますが、熟すとオレンジ色になり、落下します。その実はとても固いもので、靴で踏んづけても潰れる事はありませんでした。

東京都立大学南大沢キャンパスにある牧野標本館の展示品には下記のように書いてあります。

タコノキ(タコノキ科)の集合果の標本

常緑の小高木~高木で、幹から多数の支柱根を伸ばす姿から、この名が付けられました。

小笠原諸島に固有で、島内の海岸から山地に広く分布しています。

パイナップルのような大型の集合体(複数の果実が集まって一つの果実のように見えるもの)をつけ、個々の果実には3~4個の種子がか言っています。

 

下の写真はカカオの実です。中央アメリカから南アメリカの熱帯地域が原産です。

幹から突然実が生っています。

幹に身をつける理由は、実の重さに耐えられるようにとのことです。

チョコレートの原料となるカカオ豆はこの実を割ると出てきます。

ブーゲンビリアは中南米原産の植物です。

色づいた花びらに見える部分は花を取り巻く葉(包葉)です。

 

 

これはタビビトノキです。

マダガスカル原産で、名前の由来は、

「旅人が喉を潤すために、その葉の付け根に溜まった水を飲んで乾きをしのいだ」

というものと、

「扇状に開く葉は正確に東西を向くため、旅人はその姿を見て方角を知った」

というものがあります。

タビビトノキは こちら でも報告しています。

3        キョンの園地

キョンのいる場所へ向かいます。

苔むした園内の小道です。

キョンに遭遇。

昔はキョンと言えば八丈島でしたが、近年、房総半島で急増し、駆除に苦慮しているとのことです。

きっかけは、2001年に閉園した千葉県勝浦市の動植物園『行川(なめがわ)アイランド』で飼育されていたキョンが脱走したことだと言われています。

この旺盛な繁殖力に手を焼いた行政が、国内での繁殖を禁止したため、このままだと八丈島のキョンもいずれいなくなるということです。

観光の少ない島なので、できれば八丈島だけでもキョンは名物として残して欲しいものです。

 

日本鹿と一緒で、角のあるのがオスで、無いのがメスです。

キョン(タイワンキョン)キョンは森林に棲む原始的なシカの仲間です。

オスは小さく枝分かれした角を持ち、上あごの犬歯が目立ちます。

キョンの名前はイヌのようなその鳴き声に由来すると言われています。

目の下側に分泌物を出す眼下腺があって、目のように見えることからヨツメジカの別名もあります。

 

キョンのふるさと

キョンの原産地は中国南部や台湾です。

下の地図で黄色の部分が野生のキョンのいる地域です。

中国大陸では揚子江流域から南は広東省、西は四川省まで広がっています。

 

これはモンステラです。

観葉植物としてもよく見る熱帯地方の種です。

実が熟すと、バナナに似た味になるとのことでした。

4        八丈ビジターセンター

園内にある八丈ビジターセンターです。

 

センターの前の道は赤色です。

これは、赤いスコリアの道です。

スコリアは噴火口から出て来る溶岩でない岩石のことで、噴火口から飛び散った溶岩です。

八丈空港はこのスコリアの堆積物の上に建設されています。

赤いのは内部に含まれる磁鉄鉱などの鉄鉱物が酸化して赤色のヘマタイトという鉱物ができるためです。

ウミガメの模型の展示物です。

カメに乗って撮影ができます。

島に群生するアロエの花が咲くとこんな様子になるとのこと。

光るキノコ、中に入って見てみましたが、薄くぼんやりと光っている感じで、宣伝文句のような「まるでランプシェード」ではありませんでした。

世界中に光るキノコは約70種存在すると報告されていますが、日本では13種の発光が確認されており、そのうち7種が八丈島で確認されているとのこと。

八丈植物公園は年中無休の施設で、植物に興味のある人なら楽しめると思いますが、取り立ててこれと言った目玉のある施設でもないのであまり期待はしない方が良いと思います。

個人的には、キョンの実物を見られたことが嬉しかったです。

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