茨城自然博物館は茨城県南西部・利根川近くの広大な湿地帯を利用した野外公園の一画に建っています。
博物館は地元の自然関連だけでなく、宇宙、恐竜や岩石など多岐にわたり展示されています。
休みともなると、近隣からピクニックに来る家族連れで賑わいます。
目次
1 シンボル展示
エントランスを過ぎると、そこには松花江(しょうかこう)マンモスとヌオエロサウルスがお出迎えです。
これらは、中国の内蒙古自治区から産出した骨格化石のレプリカです。
1.1 松花江(しょうかこう)マンモス
1.2 ヌオエロサウルス
2 宇宙
天井に浮いた太陽系の惑星です。
2.1 はやぶさの展示
「はやぶさ」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた小惑星探査機です。
今まで、太陽系の小惑星に向かって2機打ち上げ、いずれも無事帰還しました。
打ち上げ日 | 帰還日 | 行き先 | |
はやぶさ | 2003年5月9日 | 2010年6月13日 | いとかわ |
はやぶさ2 | 2014年12月3日 | 2020年12月6日 | りゅうぐう |
火星と木星の間に大量の小惑星があります。
小惑星イトカワ (模型) 2000分の1
◆地球近傍小惑星
細長く, 長径が535mの小さな小惑星地球の公転軌道を横切る軌道をもつ。
小惑星探査機はやぶさが2005年に地表の微粒子を採取し、地球に持ち帰った。
小惑星探査機「はやぶさ」の成果
小惑星探査機「はやぶさ」は、人類史上初めて、 小惑星をつくる物質を持ち帰る”サンプルリターン”に成功しました。
採取された微粒子を分析した結果、 小惑星イトカワはコンドライト LL型とよばれる種類の隕石と同じ性質をもっていることが確認されました。
また、イトカワは小惑星同士が激しい衝突を繰り返してできたこともわかりました。
小惑星リュウグウ (模型) 約4000分の1
◆地球近傍小惑星
コマ状の形をした, 直径約700mの小惑星。
地球の公転軌道を横切る軌道をもつ。
太陽系形成初期の有機物や含水鉱物を多く含んでいると考えられている。
採取したサンプルから数十種類のアミノ酸が発見されたとのことです。
生命の起源の手がかりになるものかもしれません。
3 地球の成り立ち
硫黄の塊
ペグマタイトは大きな結晶からなる火成岩の一種です。
水晶もペグマタイトということになります。
黄鉄鉱は立方体結晶ができます。
40億歳の岩石
世界で最古の岩石にさわってみましょう。
現在知られている中で世界最古のこの岩石は、カナダ北部のノースウエスト・テリトリーズのアカスタ川にある小島から発見されました。
これは、アカスタ片麻岩とよばれ、 岩石中のジルコンの射性同位素による年代測定法によって、 39億6,200万年(±300万年前のものとわかりました。
生物がつくったストロマトライト
ストロマトライトは、浅い海の底で生きていたラン細菌類が、砂や泥の微粒子を層状にたい積をさせたものです。
約35億年前に誕生したラン細菌類がおこなう光合成によって、たくさんの酸素が放出されました。
やがて生物が陸上に進出できるようになったのは、このおかげです。
海底で生まれた縞状鉄鉱
太古の海には、たくさんの鉄分が溶け込んでいました。
この鉄分が、ラン細菌類がつくりだした酸素と結びついて、酸化鉄(鉄さび)となって海底に沈戦してきたのが縞状鉄鉱です。
酸素の量の違いによって酸化の状態が異なるために、縞模様になりました。
大型爬虫類の登場
爬虫類は、石炭紀後期に両生類から進化し、四肢がしっかり地面から体を持ち上げて歩くことができるようになりました。
また、卵は乾燥にたえられるように殻で包まれ、一生肺で呼吸できるようになりました。
爬虫類はさまざまに進化し、後の哺乳類へ進化する哺乳類型爬虫類も現われました。
ステノプテリギウス お腹に胎児が入っているようです。
アンモナイトにもいろいろな種類があるんですね。
15歳~20歳までのティラノザウルスの成長は凄い!
象たちの進化
ソウ類は原始的な有蹄類を祖先とすると考えられ、新生代始新生に初めて現れました。
ソウ類の進化は大きく4つに分にけられ、初めは、メリテリウムとよばれる現在のバクに似たもので、次のパレオマストドン段階でようやく鼻も伸びてきました。
その後、マストドン段階をへて、ナウマンソウ、マンモスや現在のアフリカゾウ、アジアゾウに進化しました。
スミロドン
サーベルタイガーの中でも最後期に現れた属です。
4 自然の仕組み
このオオカミは白くて綺麗です。
オオヤマネコ、シベリアに生息しています。
雑木林の中。
森の中。足元の1円玉の大きさで縮尺を想像してみてということ。
シーラカンス
からだのつくり
現生のシーラカンスは、 全長が180cmを超えることもあります。 大きな特徴は、 胸びれと腹びれ、 第2背びれ、第1臀びれの柄の部分に一列の骨と筋肉があることです。
大きな尾びれに見えるのは、 第3背びれと第2臀びれ、尾びれです。
からだの中心に脊椎骨がなく、体液で満たされた中空の管 (脊柱) があります。
地球で繁栄しているほかの魚類とは異なるからだのつくりやはたらきには、解明されていない謎が多くあります。
冬芽(ふゆめ・とうが)は、葉を落とした枝についているカプセル状のもののことを言います。
冬芽の中には小さく折りたたまれた葉や花の蕾が入っています
水の生き物コーナー
マッコウクジラは歯を持っている動物の中でもっとも大きいとのことです。
この歯を使って魚やイカを食べています。
では、最大級のシロナガスクジラは、と言うと、歯がなく、その代わりに、歯ぐきが変化してできた、クジラヒゲというものがあります。
このクジラヒゲで、体長数センチの小さなプランクトンをこしとって食べます。
5 生命の仕組み
ディノルニス・マキシムス
地球上に出現した鳥類の中で最も背が高く身長は3.6mにもなります。
モアの一種で、 別名をジャイアントモアといいます。
人間が食料にするために狩りつくし、17世紀には絶滅しました。
ティラノサウルスとトリケラトプスは恐竜ロボットでも展示されている頭骨のレプリカです。
6 茨城の自然
茨城は第四紀更新世時代は殆ど海の底で下から、昔の地層は海底の名残があります。
土浦の貝化石層
この資料は、 土浦市田村町・沖宿町の土地造成工事によって露出した貝化石層を採取したものです。
新生代第四紀第三間氷期のころ、 現在の関東平野には、古東京湾と呼ばれる浅い海が広がっていました。 この海で堆積した砂や泥の堆積物からなる地層は、 成田層と呼ばれ、 絶滅したトウキョウホタテなど貝類化石をたくさん産出します。
この貝化石層は、 現在の茨城近海の水温よりやや冷たい水塊が流入していた湾の奥部で堆積したと推定されています。
資料協力 土浦市田村・沖宿土地区画整理組合
行方市の斜交層理
新生代第四紀更新世後期には、現在の関東平野に古東京湾と呼ばれる浅い海が広がっていました。
このとき、湾と外洋とを隔てる細長い 「バリアー島」が鉾田市から行方市方向に分布し、 行方市付近には外洋から湾への流路がありました。
この斜交層理は、流路を出入りした潮の満ち干きで生じる潮汐流によってつくられたと考えられています。
資料協力 額賀 勤 氏 額賀隆氏
ナウマンゾウ
ナウマンソウは、北海道から九州までもっとも広く生息していた日本の代表的ソウ類です。
今から約43万年前頃に大陸とつながった陸橋を通って日本に侵入し、約2万年前の最終氷期に姿を消したと考えられています。
日本の更新統(更新世にできた地層)からはこれまでに約500箇所以上,200 数余の化石が発見されています。
茨城県の地質
茨城県の北部には、古生代~中生代にかけての古い時代に形成された岩石が広く分布していて、これらの岩石がいくつもの山稜が連なる山地を形成しています。
一方、南部は新しい時代 (新生代第四紀) に形成された砂や泥、 火山灰などの未固結の堆積物に覆われた低地や台地が広がり、関東平野の一部になっています。北部の地質
南北に連なる八溝山地には、 中生代三畳紀~ジュラ紀頃の海底で堆積してできた岩石が広く分布しています。
その南端には、 新生代初めごろにマグマが質してできた花崗岩類がみられ、関東平野に突き出た筑波山塊となっています。
また、 北北西に走る棚倉断層の東側には、白亜紀などに変成作用を受けてできた日立変成岩類や阿武隈変成岩類がみられます。南部の地質
南部~西部には、第四紀の海の底で堆積した砂や泥の地層 (貝化石やサメの歯等を含む) が分布しています。
その上位には、西方にある赤城山や日光男体山などの火山からやってきた火山灰や軽石など (テフラ)が厚く積もった関東ローム層がみられ、台地をつくって
います。
筑波山です。
建物の外にはダイオウイカのオブジェがありました。
7 いのちの色
ここから先は特別展示です。
ほぼ写真のみですが、パネルの文言を読んでいるだけでも興味深いと思います。
イヌやネコは赤と青の色しか視認できないようなので、見た世界が随分人と違っているようです。夜行性の動物は2色とのことです。
また、哺乳類以外は赤青緑の他に紫外線も見ることができます。
冠位十二階の色はどうやって作ったのか。