南房総の鋸山(標高329.1m)は山全体が日本寺の霊域となっています。
入山するには拝観料が必要です。
東北の山寺(宝珠山立石寺)もすごかったですが、こちらもまた負けず劣らず雄大です。
「ブラタモリ#178 館山 ~ 房総リゾート・館山はどうできた? ~」はここ鋸山からスタートしました。
タモさんの足跡を追いながら鋸山に登ってみました。写真中心のブログです。
今回は、麓で1000円払って、有料道路で山頂に向かいます。お寺の駐車場(無料)、ケーブルカーで登るルートもあります。
有料道路に入ってすぐに、岩をくり抜いたトンネルを通過します。
途中で東京湾を一望できる場所があり、房総半島の南方・館山方面をから、伊豆大島、伊豆半島まで見渡すことができます。
ブラタモリのお題は、「館山の、緑の山がモコモコした地形は、どのようにして誕生したのでしょうか?」でした。
答えは、海洋プレートが海溝で大陸プレートの下に沈み込む際に、海洋プレートの上の堆積物がはぎ取られ、長い年月をかけ陸側にどんどん乗っかって来た結果、「モコモコと山が続く地形」が出来上がったとのことです。
凄い断崖ですね、この岩場を利用して、ロッククライミングの練習をしているのでしょうか。
ロープの張られた場所があります。
目次
1 通天窟
まずは手前の駐車場で車を止めて、寺の下側を散策します。
曹洞九世高雅愚伝禅師と道元禅師、瑩山禅師が祀られています。
2 大蘇鉄と達磨石
蘇鉄は「頼朝蘇鉄」と呼ばれ、
治承4年(1180年)石橋山の戦いで敗北した頼朝は、真鶴岬(現在の岩海水浴場)から船で安房国(現在の千葉県南部)へ脱出しました。
この地で頼朝が再起を図った折に日本寺で武運を祈願し、自ら蘇鉄を手植えしたと伝えられる大蘇鉄で、樹齢800年を超えています。
3 漱石、子規鋸山探勝碑
1889(明治22)年8月、子規の詩歌集「七草集」に触発された漱石は房総を周遊し、鋸山の絶景と悠久への思いを漢文紀行「木屑録(ぼくせつろく)」につづった。これを絶賛した子規は2年後に詩想を求めて房総を訪れると、鋸山山頂からの眺望を漢詩に詠んだ紀行「かくれみの」をまとめた。このほか、漱石は「こころ」などの作品に房州の自然や地理を取り込み、子規も房州を織り込んだ俳句を多く詠んでいる。
千葉日報オンラインから
4 乾坤稲荷
日本寺の山号(さんごう)が乾坤山なので、この名前と思います。
「荼吉尼天を祀る。衆生の心垢を食し良く仏慧に入らしむ。」と案内板にあります。
5 源氏不動
6 薬師本殿
7 大黒堂
昭和十四年の大火によって焼失された後、復興計画の元、平成十七年に再建されました。弘法大師の彫られたと言い伝えられている大黒尊天が祀られています。(御前立は現代の名工渡辺貞光作) 日本寺境内案内から
8 お願い地蔵
大仏広場に安置され、参拝者の様々な願いを込められた小さなお地蔵様に取り囲まれています。
9 大仏
高さ31.05mのなんとも壮大な大仏様です。
写真で見るとその迫力が削がれてしまいます。百聞は一見に如かず。
薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい) は世界平和、万世太平を祈願し、天明三年(1783年)に大野甚五郎英令が27人の門徒と岩山を3年かけて彫刻したものが原型です。その後昭和41年に4カ年にわたって修復されました。
日本寺境内案内から
大仏の左の膝のあたりに修復のあとが見られました。
10 百尺観音
ここからは、上の駐車場まで車で移動してからハイキングです。
百尺観音は、石切り場の跡にあります。どんな種類の岩石なのでしょうか?
ブラタモリで教えてくれています。凝灰岩です。
凝灰岩は、火山から噴出された火山灰が地上や水中に堆積してできた岩石で、鋸山のものは房州石とも呼ばれ、明治初期から大正にかけて掘り出されていました。
早稲田大学石塀、靖国神社塀下で使われています。
凝灰岩は、海底ででき、隆起によって持ち上げられたものです。
ジブリのラピュタの世界になぞらえる人もいますね。
11 地獄のぞき
飛び出した岩の処です。
この上に立つとゾクッとします。
下は「地獄のぞき」からのぞいた百尺観音のある広場です。
12 山頂展望台
山全体が凝灰岩なのが分かります。
こんな岩だらけのところに木は生えています。
木も頑張ってますね。
13 西国観音
ここから先は羅漢エリアです。
石の洞窟に沢山のお地蔵さんが安置されています。
ここからは、山の中を歩き回りました。
14 二天門
15 百躰観音
16 あせかき不動
17 甚五郎の墓
18 日牌堂
19 維摩窟
20 聖徳太子像
21 弘法大師護摩窟
トンネルを抜けた向こうにあります。
22 不動滝
鋸山は単なる観光地だと思っていましたが、実は霊場であるということに行って初めて分かりました。
見どころは「地獄のぞき」「百尺観音」「大仏」なので、そこだけ見て帰るのも良いですが、時間があれば、弁当持ちでのんびりと山全体を散歩したいものです。全コースは凡そ3時間です。
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