保育の現場や子育て広場では、子どもたちに楽しんでもらうため 様々な小道具を使って手遊びや歌、お話を演じることがあります。
私が長年保育士をしてきて、季節に関係なく一番遊べる題材の手袋シアターは「家族」です。
「おはなしゆびさん」や「いちのゆびとうさん」などかぞくの手遊び・歌遊びはたくさんあります。
保育実習に行く学生さんや保育士の方、工作や読み聞かせの導入にも使えますので ぜひ作ってみてください。
目次
・手袋シアターとは
手袋や軍手にお話しの登場人物にみたてた絵人形を貼り付けたパペットです。
指先の布を使って、そのまま耳をつけてうさぎにしたり、ピンクのカラー軍手でブタさんにしたり、かたちは色々です。
小さな人形なので、乳児さんと遊ぶときに歌に合わせて動かしたり、少人数の手遊びに使ったりもします。
簡単なものでは、「お花が笑った」の歌に合わせて、指を立ててお花を見せてゆらす。
「かえるの合唱」歌に合わせて揺らしながら、「クワァ クワァ」の歌詞に合わせて 手をぐーぱーと開いて見せます。
・おすすめの手袋シアター「かぞく」を作ってみよう
【準備】・手袋、カラー軍手 ・Pペーパー ・カラーのフェルト ・アクリル絵の具(ポスカでも可) ・油性マジック細・太 ・えんぴつ ・はさみ ・ボンドなどの接着剤
【使ってみて】このモコモコ手袋、動かしているうちに糸くずが飛んで大変でした。やっぱり カラー軍手がおすすめです。
① イラストを決める
私がおすすめする家族の手袋シアター。まずは どんな家族にしようか考えます。
いつもは自分で絵を描くのですが、さすがに家族は何となく似せたいので、今回はフリー素材の「いらすとや」さんのイラストを使わせてもらいました。
② Pペーパーに下絵を描く
イラストに下絵を重ねて、鉛筆で写します。わかりにくい場合は ガラス窓に当てて光を通すと写しやすいです。
③ 着色はまず 薄い色から。この場合 肌色から塗ります。縁取りや顔などは油性ペンで描きます。
実は・・・こまかい部分はPペーパーにして、フェルトも使いたいと思い、髪の毛を乗せてみたら・・・
④ 小物にフェルト素材を使う場合
部分的にフエルト素材を使ってみました。
ボンドで貼った後 利き手の右手側に使いたいので、念のため、糸でも留めておきます。
布用ボンドについては、布用接着 「手軽に使える布用テープ&布用ボンド」に書いてあるので参考にしてください。
完成です!
⑤ 全部着色した場合
薄い色から順番に塗っていきます。縁取りは油性ペンを使っています。眼鏡も描いてみました。ボンドで貼ったら出来上がり。
注意
遊んでいるうちに折れやすいので、顔の半分くらいまで指先に貼るようにしましょう。
フェルトを貼ると立体感が出て、少しはっきりします。色を選べば 絵具での着色だけでも可愛くできますよ。
・「かぞく」の手袋シアターであそぶ
さぁ 出来上がった手袋シアターを使って遊んでみましょう。
1♪おはなしゆびさん♪(作詞:香山美子 作曲:湯山昭)
♪このゆび パパ ふとっちょ パパ ~♪という 定番の童謡です。
右手だけ手袋シアターをつけて、左手はそれぞれの人形を指し示すと 見ている子どもたちはわかりやすいでしょう。
2♪いちのゆびとうさん♪(作詞:まど みちお 作曲:渡辺茂)
私が大好きな手遊び歌の一つ「いちのゆびとおさん」
古くから歌われていて、「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」など優しい表現やユーモアがある童謡をたくさん生み出したまどみちおさんの作品です。
♪いちのゆびとおさん おしごと トントン トントントン ♪ 手遊びなので 大きな動作で動かすといいですよ。
3♪おとうさんがかけてきて(曲がり角)♪(詩曲:不詳)
2歳くらいから小学生まで 爆笑で見てくれる手遊び歌です。
お父さんやお母さんに合わせたセリフ回しが人気です。
地域によってぶつかったらすぐに「あやまるバージョン」や「ケンカしたまま」のバージョンもあるようです。
4♪とおさんゆび どこです♪(外国曲、原曲:ARE YOU SLEEPING)
耳慣れた優しいメロディーのこの曲。
ゆっくりテンポなので、1・2歳のお子さんが、がんばって指を自分で出しながら 音楽に合わせる姿は可愛いですよ。
私もお姉さん指を出すところで 苦労しました。
5♪ねぼすけとおさん♪(詩曲:新沢としひこ)
元保育士のシンガーソングライターさんの最近の曲です。指の動きが複雑なので、手袋シアターは片方だけのほうが見やすいかもしれません。
0~5歳児まであそべる 新沢としひこの手あそびクルリンパ CD付き―指導計画に生かせる「保育のねらい」つき (Gakken保育Books)
なかなか 難しい手遊びですが、頭の体操になります。おじいちゃんやおばぁちゃんと一緒にやってみると楽しいですよ。
(おわりに)
いろいろ動かしてみて、絵人形の大きさは小さいほうが動かしやすいと感じました。
クラス等で演じる場合は少し大きめにして、指を折る順番を工夫してみるといいでしょう。(とくにお姉さん指を出す時は練習が必要です。)
何でも手を出して お口に入れてしまう乳児さんと触れ合いながら遊ぶ時は、Pペーパーは少し硬いかもしれません。
乳児さん用には、全部がフェルト、または手袋の色合いを生かして、耳や目を縫い付ける作品がいいですね。
手袋シアターをポケットに忍ばせて 子どもとたくさん歌ったり、お話ししたりして楽しんでくださいね。